JVCケンウッドは、新開発の6cmフルレンジウッドコーンスピーカーを搭載した、ビクターブランドの一体型オーディオシステム「EX-DM10」を11月中旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭価格は50,000円前後を見込む。

  • EX-DM10

CD、ラジオに加えて、Bluetoothによるワイヤレス再生、USBメモリーを使った音楽再生/録音もできる一体型ミニコンポ。

ビクターでは、“スピーカーは楽器でありたい”という想いから生まれた、振動板に“木”を使った独自の「ウッドコーンスピーカー」を2020年発売の「EX-D6」などに導入している。EX-DM10ではプライベートな空間に設置しやすいよう、フルレンジのウッドコーンスピーカーとしても最小サイズとなる、新開発の6cmユニットを搭載してシステムの小型化を実現(EX-D6のユニットサイズは8.5cm)。

ビクターの一体型ウッドコーンオーディオシリーズで最小となる本体幅34cmのコンパクトサイズながら、EX-D6の音響ノウハウも継承して「自然で美しい響きと豊かで広がりのある音楽空間を表現する」という。外装はEX-D6でも採用している、木目調のフラット&ローデザインや、ビクターブランドを象徴する「犬のマーク」の天板へのプリントはそのままに、ナチュラルウッドをベースとした明るいカラーリングに仕上げた。

新開発の6cmフルレンジウッドコーンスピーカーでは、振動板に従来と同じくカバ材を採用し、センターキャップは新たにチェリー材を使うことで音の明瞭度を向上。つややかでクリアな中高域再生や、小口径ながら「定位感の良さとキレのある表現力、広い空間表現」を追求している。

スピーカーユニットの磁気回路の後部にはウッドブロックを装着。装着位置の最適化によってダクトから生じる不要な高域成分を制御し、重心の低い低域再生や音の響きの良さを追求している。磁気回路には、ポールピース上部に銅キャップを採用し、高域特性を向上。ひずみを抑制し、クリアなサウンドを豊かに再生するという。また、ボイスコイルはエネルギー効率を高める4N-平角4層線を採用し、「素直な中音域再生と明瞭感を向上させた」とする。出力は10W×2ch(EX-D6は20W×2ch)。

Bluetooth機能を備え、対応するスマートフォンやタブレットの楽曲をワイヤレス再生できる。対応コーデックはSBCとAAC、aptX、aptX HDに加え、テレビや動画の音声を楽しめるよう低遅延なaptX LLもサポートする。ほかにも、USBメモリーに保存した最大192kHz/24bitまでのハイレゾ音源(FLAC/WAV)や、MP3/WMAなどの圧縮音源を再生できる。

本体素材はMDF材で、キャビネットの剛性を高め、内部配線に16番線OFCワイヤを使用するなど、「こだわりの高音質設計で濁りのない伸びやかな音」を追求。エンクロージャー内部には、EX-D6でも採用している反射板と補強桟を最適配置し、剛性を高めるとともに、スピーカーユニット後方からの音を反射板で斜め前方と上方に拡散する。これによって、音場が狭まりがちな小さい一体型システムでも、広い音場空間を表現できるようにした。

振動対策も徹底しており、ボトムシャーシ固定部とリアパネルには種類の異なるさまざまな銅メッキネジを採用。これらの組み合わせで最適配置を行い、「音の立ち上がりや歯切れを改善し、豊かな音楽再生を実現する」としている。

入力端子はアナログRCA×1、光デジタル×1(PCM 192kHzまで対応)。3.5mmステレオミニのヘッドホン出力も備える。本体前面にはカタカナ表示できるFLディスプレイを装備。消費電力は12W(待機時0.4W)で、Bluetoothスタンバイ時は3W以下。本体サイズは335×191×115mm(幅×奥行き×高さ)。重さは3kg。リモコン、FM簡易型室内アンテナ、AMループアンテナなどが付属する。