ニコンは6月13日、高性能フルサイズミラーレスカメラ「Z 9」の最新ファームウエアVer.4.00を公開した。被写体が撮影条件を満たした際に自動で撮影する新機能を追加したほか、電子シャッター音を変えられるようにするなどの改良を施した。ファームウエアのダウンロードは無料。

  • Ver.4.00の最新ファームウエアを公開したフルサイズミラーレスカメラ「Z 9」

ファームウエア Ver.4.00では、静止画・動画撮影に関する新機能「オートキャプチャー」を追加。撮影条件をカメラ側であらかじめ設定しておくことで、被写体が撮影条件を満たしたときにカメラが自動で撮影を行う機能。撮影者がカメラのそばにおらずとも、またタイミングを判断せずとも撮影してくれる。

撮影開始条件として設定できるのは、指定範囲内で被写体が指定の動きをした場合の「モーション」、指定距離範囲内に被写体が入った場合の「距離」、指定範囲内で指定の被写体（人・動物・乗り物）を検出した場合の「被写体検出」の3種類。複数条件の組み合わせも可能。

動画撮影機能には、「N-Log」撮影時のISO感度設定範囲をLo 2.0まで拡張。これにより、低感度側設定では暗部のダイナミックレンジが向上し、ノイズを抑えた暗部表現が可能になる。「ハイレゾズーム」ではボタン操作の速度設定を3段階から11段階に細分化。カメラ内で4倍スロー、5倍スロー動画を生成する「スローモーション動画」機能も追加している。

静止画撮影機能では、「3D-トラッキング」で被写体検出できない状況での動きの速い小さな被写体の捕捉性能が向上。「プリキャプチャー」では、動作を中断するまでの制限時間を30秒から300秒に延長。シャッターボタン半押し状態での待機時間が長引いた場合に、全押ししたタイミングから遡って記録できるようにもなった。「露出ディレー」機能では、シャッターレリーズブレも回避できるようになっている。

そのほかの追加機能は以下の通り。

  • カスタムボタンに割り当てられる機能、操作ボタンの拡充
  • フォーカス距離指標にフォーカスが合う位置までのおおよその距離数値表示を追加
  • 電子シャッター音の選択（5種類）と最大音量の拡張
  • 静止画を拡大再生してコマ送りする際、フォーカスポイントにあわせて拡大位置を移動する「ピント位置優先」設定の追加
  • 動画再生時のプログレスバーの追従性向上