営業職は、業界問わず、企業活動において不可欠なポジション。しかし、「気合い」や「根性」といった、どちらかというとネガティブなイメージを抱いている就活生が少なくないようです。

では、実際のところはどうなのでしょうか。営業職歴10数年、現在は、ツクルバで不動産営業を行っている、井ノ口明穂さんに話を聞きました。

  • 営業は気合、根性の世界?

営業職とは、よりよい顧客体験を売る仕事

新卒でビジネスウエアを扱うアパレル企業に就職し、セールスの仕事に従事すること11年。2021年に転職し、現在は、中古・リノベーション住宅の流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」におけるエージェントサービス(不動産営業)に従事する井ノ口さん。

洋服から家へと、売るモノも価格も大きく変わりましたが、営業は、「より良い顧客体験を提供する仕事」であることに変わりはないと話します。

「『モノを売るというよりも体験を売る』という姿勢は、前職の時から言われていたことですが、ツクルバでも大切にしているポイントです。当社は、不動産業界の中ではかなりユニークな存在で、どういう家が欲しいのか、なぜ欲しいのかをカウンセリングで丁寧に紐解く、お客様理解に重きを置いています。

住宅購入は人生において非常に大きな買い物。決断までのプロセスの中で迷ったり悩んだりすることは必ずあります。そんな時に、伴走役としてお客様を支えるのが営業担当の仕事。『こういう未来が欲しいから今これを選んでいるんですよね』といった具合に、一つひとつ一緒に確認するステップを踏んでいくことで、お客様の納得感にもつながると考えています」。

  • カウカモエージェント 井ノ口明穂さん

不動産購入希望者のこれまでの人生ドラマや、思い描く数十年先の未来に寄り添う同社の営業スタイルは、実際に相手との信頼関係の構築につながっていると井ノ口さん。

「10年間数々の不動産会社を通じて家を探し続けてきて、それでも購入を決めきれなかった方が、当社のカウンセリングから1ケ月ほどで理想の家を見つけ購入に至ったことがありました。

それ以外にも、単身時代に家を買った方から結婚や出産を機にリノベーションの相談を受けたり、売却も見据えて家を買い、数年後に買い替えの相談を受けたりすることもあります。『より良い顧客体験の提供』は、お客様にも私たちにも、Win-Winな結果をもたらしてくれるのです」。

営業の見える化、チーム化で、成果につなげる

当然ながら、営業職において避けられないのが、数字(売上)という成果。井ノ口さんもこれまでに、ノルマや成績に苦しんだ経験はあるそうです。

「営業をやっていると、数字が上がらないという事態にはどうしても直面します。原因を探り、それを改善すれば打開できるはずなのですが、その原因が分からなかったり、周りに相談できないと、スランプに陥ったりします」。

その点ツクルバでは、営業の業務が「見える化」されているため、原因究明や改善がしやすいと井ノ口さん。

「当社では、営業プロセスを見える化し、それが適切に遂行されているかどうかの状況を数値で確認し、チームや社内で協力し合いながら数字を追うという営業スタイルを取っています。

改善すべき点が気合いなら、気合いを入れるしかないのですが、それが原因であることはあまりありません(笑)。成約までに必要なプロセスや、取るべきアクションが明確になっていれば、成果につながらない原因が一目瞭然。自分という個人が否定されるのではなく、あくまで仕事の進め方を分析するので、改善策に取り組みやすいという点もポイントです。

また、契約書作成などの業務はアシスタントのメンバーがサポートしてくれるので、営業はお客様対応に専念でき、チームで仕事をしている感覚があります。孤独感や孤立感を抱くこともありません」。

自身でも営業活動を行いながら、ユニットリーダーとして5名のメンバーをマネジメントする立場でもある井ノ口さん。この営業スタイルは、確実に成果につながることを実感していると話します。

  • チームで営業する感覚だと言う

営業は「実際にやると」楽しいと分かる

井ノ口さんは、営業としての仕事のやりがいについてどう考えているか、また、どんな人に向いている仕事だと思うか、聞いてみました。

「営業は、お客様から直接感謝の言葉をもらえる、うれしい場面の多い仕事です。逆にお叱りを受けることもありますが、それを自分の成長の機会にすることもできます。人と触れ合いながら成長したい人、次のステップに向けて何かを得たい人には、良い学びの場になると思います」。

仕事をするうえでは、収入も大事なポイント。井ノ口さん自身は、やりがいと収入のどちらを重視しているのでしょうか。

「私は衣食住が好きなので、自分がしたい暮らしに相応する収入を求めることは大事だと思っています。そのプロセスとして、楽しさとか、やりがいを感じられる仕事をしたい。その方が、レバレッジも効きますからね。私がツクルバへの転職を決めたのも、そうした観点からでした。

学生時代は被服学科だったので、まさか自分が営業職に就くとは思っていませんでした。でも、実際にやってみると、楽しい仕事でした。今では、営業は成果が報酬として目にみえやすく、やりがいも感じられる、良い仕事だと思っています」。

取材協力:井ノ口明穂(いのぐち・あきほ)

大学の被服学科を卒業し、シャツメーカーに就職。接客・販売や社内講師を経験。より長く人の人生に寄り沿いたいという想いから、2021年㈱ツクルバに転職し、初めての不動産営業(カウカモエージェント)へ。現在はメンバーをマネジメントしながら、自身もお客様の接客を行う。