日々生活していると、ふとした瞬間に自分で自分のことがよくわからなくなり、不安に思うことがあります。

本記事では「自分がわからない」と感じる心理や原因はもちろん、対処方法や、自分を理解するためのポイントを紹介します。

  • 自分がわからないとは

    自分がわからないと感じる心理や理由、対処法などを解説します

「自分がわからない」と感じる心理とは

自分自身がわからないと感じるときには、何かしらの心理が働いているはずです。この章では、自分がわからないと感じる心理について解説します。

自分自身のことや、自分の感情を受け入れることが怖い

「自己受容」ができないとき、人は自分がわからなくなるものです。自己受容とは、ありのままの自分、本来の自分を受け入れることです。

特に自分の中のマイナスな感情や短所は、受け入れることが難しいでしょう。これは、負の自分を受け入れることに対して、恐怖心や不安を抱いているからだと考えられます。

何をしても楽しくない

何をしても楽しくないと感じると、自分がわからなくなってしまうことがあります。

変化の無い毎日に楽しみを見いだせなかったり、心配事や大きなストレスのせいで、これまで楽しいと感じていたことを心から楽しめなかったり、また楽しいという感情を共有できる人がいなかったりすることなどで、「何をしても楽しくない」という思考に陥ってしまいます。

「今までは楽しめていたはずなのにどうして?」「楽しみもないのに何のために頑張っているんだろう」などという思いが、自分がわからないという状態につながっていると考えられます。

自分が将来なりたい姿や目標がわからない

将来の夢や目標を持って行動している人は少なくありません。しかし、何かのきっかけで夢や目標が揺らいでしまったり、そもそもはっきりしていなかったりすることで、自分を見失う場合もあります。

「今まで自分は何のために、何をやってきたのだろう」「自分は一体どうなりたいんだろう」「自分の存在価値って何だろう」などと、自分という存在の意味を考えてしまうのです。

失敗したくない

プライドが高すぎる場合に、もしも失敗したら、と思い悩むことで、自分の本当にしたいことがよくわからなくなってしまうこともあります。

プライドが高い人は成功のみを求めすぎるあまり、失敗することに強い恐怖心を抱きやすいという特徴があります。失敗をチャンスに変えたり次につなげようとしたりするのではなく、失敗したら終わりだと思い込んでいるのです。

失敗を恐れすぎると、何にも挑戦できなくなります。やりたいことではなく、無難な道ばかりを選んでいると、「自分は結局、何がしたかったんだっけ」「本当にこれでいいんだっけ」と思ってしまい、自分がわからなくなるのです。

自分がわからなくなる原因

  • 自分がわからなくなってしまう理由

自分がわからなくなってしまう理由としては、主に以下のことが考えられます。

  • 自分に厳しすぎる
  • 周りに頼りすぎて自己決定ができない
  • 周りに気を遣いすぎている
  • 物事を考えすぎる
  • 自分に自信がない
  • 夢中になれるものがない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

自分に厳しすぎる

自分に厳しくしすぎることで、自分の本心がわからなくなることがあります。自分を律するあまり、自分の心に我慢を強いている可能性があるためです。

知らない間に自分の気持ちへ蓋をしてしまうことで、本当の欲求や感情が押し殺されてしまいます。

自分に厳しすぎる人は「自分はこうでなければならない」「こうあるべきだ」という完璧主義な傾向が見られます。また、自分の短所が受け入れられないことも、自分に厳しくしてしまう要因の一つと考えられます。

周りに頼りすぎて自己決定ができない

周りの意見に頼りすぎるあまり、自分の言動や意思を自分で決定できないことも、自分がわからなくなる要因の一つと言えるでしょう。

自己決定ができない人は、ほとんどの場合、親や周りの人間の意思決定に従い続けてきています。そのため、自分で考えることなく周りの意見に流されたり、頼ったりすることが習慣になっており、自己決定が自然とできなくなっているのです。

自分のことを自分で決定できない人は、自分で考えることや、自分の感情に向き合うことに不慣れなため、自分で自分の考えや感情すらわからなくなっている可能性があります。

周りに気を遣いすぎている

周りのことを気遣い、空気を読んでばかりいることも、自分がわからなくなる原因の一つです。

日常生活やビジネスシーンにおいて、他人と関わる機会は数多くあります。チームで仕事をこなす場合、周りに合わせなければならない場面も多いでしょう。しかし、周りの空気に合わせてばかりいると、自分の感情がわからなくなります。

これは「周りに頼りすぎて自己決定ができない人」にも少し似ていますが、周りに頼りすぎて自己決定ができない人は、周囲に頼るばかりで自分で考える能力が育まれないことで自分の意見がわからなくなっているのに対して、周りに気を遣いすぎている人の場合は、人に合わせるうちに、自分の意見を押し殺すことが癖になり、自分の意見がわからなくなってしまうという違いがあります。

物事を考えすぎる

物事を考えすぎることで、自分でも自分の本心がわからなくなることもあります。物事を深く考えすぎると、「これをするとどうなるかな」「こんなことを言うと浮いてしまうかな」などと気になってしまい、実行に移せなくなるためです。

物事を深く考え気にしすぎていると、あらゆる事柄に対して恐怖心が勝ってしまい、行動を起こすことに不安を感じてしまいます。そのせいで、いつの間にか自分の本当にやりたかったことがわからなくなり、自分を見失ってしまうのです。

自分に自信がない

自分に自信がなく、自分の長所や特技が思い浮かばないことが、自分がわからなくなる理由の場合もあります。この傾向は、自己肯定感が低い人によく見られます。自己肯定感が低いと「自分はだめな人間だ」「自分には何もできない」と思い込んでしまいがちです。

その思い込みが、自分の良いところやできること、本当はやりたいと思っていることなどを覆い隠してしまうことで、結果的に自分がわからないと思い悩んでしまうことにつながると考えられます。

夢中になれるものがない

夢中になれるものがないことも、自分がわからなくなる原因の一つでしょう。何か夢中になれるものがあれば、「自分はこれが好き」「これが楽しいと感じる」「○○だから楽しい」といった、自分の気持ちと向き合う時間が自然に作られ、自分の傾向がわかります。

一方で夢中になれるものがない人は、夢中になれるものがないことに焦りや不安を感じることで追い込まれ、さらに自分を見失ってしまうことがあるでしょう。

自分がわからないときの対処方法

  • 自分がわからなくなったらどうすればいい?

自分がわからなくなったら、以下の対処方法を実践してみましょう。

自分の考えていることを書き出す

まずは、自分の考えていること、思っていることを書き出してみましょう。

自分がわからなくなる理由は、多くの場合、感情に蓋をしていることである可能性が高いです。「あのとき、自分は本当はどう感じていたか」「本当は何と言いたかったのか」など、抑圧している感情を書き出してみて、整理しましょう。きれいにまとまっていなくても、論理的でなくても構いません。

最初は何も思い浮かばず難しいかもしれませんが、じっくりと時間を掛け、自分を客観的に見つめ直す習慣を作りましょう。

心身を休め、リラックスする時間を作る

しっかりと休んでリラックスすることで、嫌なことや不安なことを忘れたり、疲れをとったりすることも大切です。

時間がないからといって不安な気持ちやストレスを放置しすぎると、自分の気持ちをないがしろにすることになり、結果的に自分がわからなくなってしまいます。

そうならないためにも、心身を休める時間を作ることが肝心です。ゆっくりと湯船につかったり、趣味を楽しんだり、気の許せる家族や友人と出掛けたりなど、リラックスできる時間を作りましょう。

一日を丁寧に過ごしてみる

仕事や育児などに追われ、いつも慌ただしい毎日を送っている場合、大切なことを見逃しているかもしれません。たまにはゆっくりと、丁寧に過ごしてみるのもおすすめです。

例えば、休みの日は目覚ましをかけずに起床し、朝食を急がずに食べてみましょう。いつもは急ぎ足で通る駅までの道も、ゆっくりと景色を楽しみながら歩いてみます。時間に追われない一日を作ることで、精神的なストレスを取り払うのとともに、今までは見つけられなかった新たな気付きがあるかもしれません。

「このパンはかむほどに甘みが出てくるな」「この季節はこんな花が咲いているんだな」など、小さな気付きで構いません。それが、自分の「楽しい」「うれしい」「好き」といった気持ちを呼び起こし、自分を理解することにつながっていくでしょう。

さまざまな人と出会う

さまざまな人と出会うことも、自分がわからなくなった場合の対処方法として挙げられます。あらゆるタイプの人と話すことで、自分の中では当たり前だった概念に変化が生じる可能性があるでしょう。

出会ったことがないようなタイプの人や、自分と正反対の人と話すことで、「そんな考え方もあるんだ」と、新しい考え方を知れますし、自分の考え方に取り入れることもできるかもしれません。

さまざまなタイプの人と出会うことは、好きなものや夢中になれること、また、自分がどんな人間かを知れるきっかけにもなります。

取りあえず何でもやってみる

何でも挑戦してみることも大切です。挑戦すれば、失敗することもあるでしょう。しかし、失敗することが必ずしも悪いことではありません。

失敗した経験が糧となり、次の目標が見つかるきっかけになることもあります。失敗=悪い経験という概念を変えられれば、自分がわからなくなることも減るでしょう。

また、何にでも挑戦してみることで、自分の好き嫌いがはっきりとわかります。つまり、自分自身を客観的に見つめ直すことにつながるのです。

自信を持ち、ポジティブに考えるようにする

自分に自信を持ち、ポジティブ思考を意識しましょう。自分がわからなくなる人は、ネガティブ思考な人が多い傾向にあります。

自分の短所や失敗したことに目を向けるのではなく、長所を見つけたり、小さい成功体験を積み重ねて自信を付けたりすることで、ポジティブな考え方が自然と持てるようになるでしょう。

カウンセリングを受けてみる

自分がわからなくて不安な場合は、カウンセリングを受けてみるという方法もあります。

自分がわからなくなることには、精神的な病気が影響している可能性もあります。この場合、一人で治すことは困難であるため、プロであるカウンセラーに相談しながら、だんだんと良くしていくことが重要です。

自分のことを理解するには

  • 自分のことを理解する方法

自分がわからなくなることを防ぐためには、自分自身と向き合い、理解することが大切です。そこで、自分のことを理解するための方法を紹介します。

メモを取る

日常生活においては、さまざまな出来事があり、その度に何かしらの感情が生まれるでしょう。うれしかったことや、嫌だったことについて、こまめにメモを取るようにしましょう。メモを取ることで、自分のありのままの感情と向き合えます。

感情に蓋をすることが癖になっていると、自分の本音を出せず、いつの間にか自分がわからなくなってしまいます。感情を失わないために、自分の本心をメモに取ることは非常に大切です。

自分では気付かなかった自分の長所を知る

他者から見た自分を知ることも大切です。信頼できる友人や家族に、自分の長所を思い切って聞いてみましょう。自分の良いところは、自分では見えづらいものだからです。

自分が客観的にどのように思われているのか、どのように見られているのかを知るきっかけにもなります。

なお自分がわからなくなっているときは、自信を失っている場合も多いですが、周りの人から褒めてもらえたことは、素直に受け止めるようにしましょう。

周りからの悪い評価を気にしすぎない

一方で、周りからの悪い評価を気にしすぎないことも大切です。周りからの評価や意見を気にしすぎると、その声に流されて自信を失ってしまうことがあります。

周りからの評価はさまざまです。良い評価をしてくれる人もいれば、悪い評価をする人もいるでしょう。評価を受け入れて改善できる点がないかを探ることはいいことですが、気にしすぎもよくありません。

悪い評価だった場合も、その評価の基準はその人のものであり、自分の基準とは異なります。また、その人が自分の全てを知った上で判断しているわけではないはずです。その人が、嫉妬や羨望(せんぼう)から、悪い評価を口にしている場合もあります。

他人の評価に左右されすぎないように、自分の基準を持ち、自信を持ちましょう。

自分のことがわからないときは、自分と向き合う時間を大切に

自分がわからなくなるのは、さまざまな事情から、自分の本当の感情に蓋をすることなどが原因である場合が多いです。

自分がわからなくなってしまったときには、自分を見つめ直す時間をとったり、信頼できる身近な人やカウンセラーなどに相談したりしましょう。