BMWが小型SUV「X1」をフルモデルチェンジし、新たに電気自動車(EV)の「iX1」をラインアップに追加して発売した。BMWの小型車で初となるEVの投入により、20~30代の「ヤングファミリー」など既存のラインアップではリーチしづらかった層の開拓を図る。

  • BMW「iX1」

    BMW初の小型EV「iX1」が日本上陸!

フル充電で465kmを走行可能

車名に「X」が付くクルマはBMWのSUVシリーズだ。同社は2022年、日本で3万台超のクルマを販売したが、SUVの人気は高く、約3分の1がXシリーズだったという。Xシリーズのエントリーモデルとなるのが小型SUVのX1だ。

通算3世代目となる新型X1はスクエアなシルエットとシンプルかつ洗練されたエクステリアが目を引く。インテリアではメーターとセンターディスプレイが一体化した「BMWカーブド・ディスプレイ」を採用し、デジタル化が進んだ雰囲気だ。

今回のモデルチェンジで最も注目すべきポイントはEVバージョン「iX1」の登場だ。

  • BMW「iX1」
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  • BMW「iX1」は全長4,500mm、全幅1,835mm、全高1,620mm、ホイールベース2,690mm、車両重量2,030kg。日本仕様では「X1」との違いを際立たせないようにするため、外見上の差別化はあえてほとんど行っていないそうだ

  • BMW「iX1」
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  • フラッシュサーフェス化したドアハンドルはデザインだけでなく空気抵抗の抑制にも寄与している。「iX1」のCd値(空気抵抗係数)は0.26でセグメントトップクラスだという

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  • 左のホイールは18インチ、右はオプションの19インチ

iX1はBMWでは小型車に属するクルマだが、バッテリー容量は66.5kWhとけっこう大きく、フル充電での走行可能距離は465kmとかなり長い。前後にモーターを積む4輪駆動で、システム全体での最高出力は200kW、最大トルクは494Nm。0-100km/h加速は5.6秒と速い。

気になる充電時間は、8kWの普通充電(BMWのウォールボックスを使用)なら6時間でバッテリー残量10%を80%まで回復できる。急速充電は90kWなら10%から80%が47分。30分でも10%を55%まで回復させられるので、200kmは走れる計算となる。

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    BMWの普通充電用ウォールボックス

X1のグレードは「xDrive20i xLine」と「xDrive20i M Sport」の2種類で価格は556万円。iX1は「xDrive30 xLine」と「xDrive30 M Sport」の2種類で668万円だ。EV版が100万円以上も高くて驚くが、こちらは補助金が使えるので価格差は見た目ほど大きくないという。

  • BMW「iX1」
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  • グレードによって内装の素材は異なる

ビー・エム・ダブリューの担当者はX1のモデルチェンジとiX1の導入により、「20~30代のヤングファミリー」の開拓を図りたいと意欲を示す。iX1の競合となりそうなのはメルセデス・ベンツ「EQA」、アウディ「Q4 e-tron」、ボルボ「XC40リチャージ」「C40」あたりだ。