米DuckDuckGoは4月12日(現地時間)、デスクトップブラウザ「DuckDuckGo for Mac」のベータ版の提供を開始した。ユーザーがデフォルトでプライバシーを保護できるように設計されており、Cookie同意を自動処理する機能も備える。ベータ版の配布はプログラム参加者を制限したプライベートプログラムになっており、参加希望者はモバイル用の「DuckDuckGo」アプリ(iOS、Android)の「設定」→「DuckDuckGo Desktop App」からウェイトリストに登録する。

DuckDuckGoブラウザをインストールすると、デフォルトで検索エンジンにDuckDuckGoが設定され、トラッカーブロッカーやCookie同意を自動化する機能が有効になり、Smarter Encryptionがhttps接続を選択する。

  • コンテンツに埋め込んだトラッカーもブロック

    Facebookがコンテンツにトラッカーを埋め込んでトラッカーブロッカーを避けようとしても、DuckDuckGoはそうしたコンテンツの読み込みをデフォルトでブロックし、ユーザーに表示の選択を求める。

Cookie同意は、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)でCookieが個人データと見なされるようになったことで、Webサイトに同意の取得が義務づけられた。Cookieの使用をユーザーが制限できるプライバシー保護のための仕組みだが、頻繁にCookie同意のポップアップが表示されるようになり、それがブラウジングの妨げになっている面がある。DuckDuckGoブラウザは、Cookie同意のポップアップを表示せず、ユーザーの設定に従ってCookie同意を自動的に処理する。現段階で約50%のポップアップを回避できており、ベータを通じて割合がさらに上昇する見通しだという。

ユーザーは、新規ウィンドウに表示されるプライバシーフィードでブロックされたトラッカー数をWebサイトごとに確認できる。ボタンの一押しでブラウジングのデータを削除できるFireボタンも搭載しており、デスクトップ版ではWebサイトごとの削除が可能(モバイル版は一括でタブを閉じてデータ削除)。

DuckDuckGoブラウザは、ChromiumやFirefoxのフォークではなく、OSが備えるレンダリングエンジンを使用している。Mac版はSafariと同じエンジンを用いており、DuckDuckGoによるとベータ版はChromeよりデータ使用が約60%少なく、Motion Mark 1.2のベンチマークでいくつかのグラフィックス性能がChromeを上回っている。Windows版の開発も進めており、エンジンにEdge WebView2を用いた「DuckDuckGo for Windows」の提供をまもなく開始するという。