第4局の舞台は日光東照宮

渡辺明棋王に永瀬拓矢王座が挑戦する第47期棋王戦五番勝負(主催、共同通信社)第4局が3月20日(日)に栃木県日光市の「日光東照宮」で行われます。手番は決まっており、渡辺棋王の先手番です。今期棋王戦五番勝負は第1、2局を渡辺棋王が制しましたが、第3局で永瀬王座が一番返しました。

ストレート防衛とはいかなかった渡辺棋王ですが、第4局は先手番。4年前に行われた両者による棋王戦五番勝負は全て先手が勝つというシリーズで、渡辺棋王が防衛しています。これまでの両者の対戦成績を見ても先手番勝率が高いので、スコアも含めて、渡辺棋王にアドバンテージがあるというべきでしょう。

今期の棋王戦は永瀬王座の先手番で始まった第1局からそれぞれ矢倉、相掛かり、角換わりと、相居飛車の主要な戦型が入れ替わりで登場しています。残る一つの主要戦型と言えば横歩取りですが、永瀬王座は1年以上、後手番で横歩を取らせていません。第2局と同様の相掛かりに進む可能性が高いでしょうか。

渡辺棋王は第4局を勝てば防衛で、棋王10連覇を達成します。同一棋戦の10連覇はこれまで大山康晴十五世名人と羽生善治九段しか達成していません。対して永瀬王座が勝利すればフルセットとなりますが、棋王戦がフルセットとなるのは4年前の第43期以来で、この時も渡辺―永瀬戦というカードでした。

将棋を愛好したことでも知られる徳川家康公が祀られる日光東照宮での対局です。東照大権現に勝局を見せることが出来るのは、果たしてどちらでしょうか。

相崎修司(将棋情報局)

10連覇の大記録が懸かる渡辺棋王(写真は第47期棋王戦五番勝負第2局のもの 提供:日本将棋連盟)
10連覇の大記録が懸かる渡辺棋王(写真は第47期棋王戦五番勝負第2局のもの 提供:日本将棋連盟)