スマホやスマートバンドはもちろん、スマートスピーカーやポータブル フォトプリンターなど幅広く手掛けるシャオミ。

同社のスマートウォッチは円形ディスプレイの「Mi Watch」、機能を絞って価格を抑えた「Redmi Watch」シリーズ、よりお手頃なスマートバンド「Mi スマートバンド」シリーズなど、これまた広くラインナップしていますが、2021年12月にRedmi Watchシリーズの廉価なスマートウォッチ「Redmi Watch 2 Lite」が登場しました。

今回はこのRedmi Watch 2 Liteをじっくり2カ月使ってみた感想をお伝えします。

  • Redmi Watch 2 Lite(8,980円)。フレームカラーとストラップカラーは、ブラック、アイボリー、ブルーの3色。別売りでピンク、オリーブ、ブラウンのストラップもある

スマートウォッチなのに充電なしで約10日間も使える

筆者はこれまで、ウェアラブルデバイスというとスマートバンドを中心に使ってきました。スマートウォッチにも興味は抱くものの、ずっと腕に付けっぱなしにしておくのには向かないと思っていたので、めったに手を出さなかったのです。でもRedmi Watch 2 Liteを使ってみて、その考えが一変しました。

その理由の1つは、バッテリーの持ちがいいこと。1日使っていても10%くらいしか減らず、充電をせずに10日間くらい過ごせてしまいます。たまに入浴時に充電すればバッテリーの減りを気にせず使えるので、この2カ月、Redmi Watch 2 Liteをほぼ付けっぱなしにできました。

次にストラップの素材がほど良く柔らかかったこと。ずっと付けていても違和感がなく、腕に馴染んで心地良かったです。通常、起床時などに腕がむくむとベルトがキツくなりがちですが、そのようなことはなく、汗をかいてもそれほどベタベタしません。

Redmi Watch 2 Liteのストラップには熱可塑性ポリウレタンという素材が使われているようですが、調べてみると、伸縮性があって、水蒸気透過性に優れている素材とのこと。上位モデル「Mi Watch」のストラップにも使われていました。

  • 横から見た様子。スッキリしたデザイン

  • 電池式で、充電器をウォッチに近づけるとピタッと引っ付く

バンドタイプと違って、ウォッチタイプは全体のサイズが大きくなるので、ずっと付けてるとこすったり、ぶつけたりしないか心配でしたが、腕にフィットしているせいか、そのようなこともありませんでした。

縦41.2mm、横35.3mm、厚さ10.7mm、重さは35g(ストラップ込み)というサイズ感は、「Apple Watch Series 7」の41mmタイプとだいたい同じ。筆者は「Apple Watch」も持っていますが、腕のフィット感は「Redmi Watch 2 Lite」のほうがよかったように思います。

ディスプレイが見やすく、操作がしやすい

Redmi Watch 2 Liteの1.55インチ(320×360ドット)タッチディスプレイは、情報が見やすく、操作がしやすかったです。Mi Watchシリーズの廉価モデル「Mi Watch Lite」と比べると、スクリーンとボディの割合が10%アップし、視認性とタッチ操作性が向上したのだとか。

筆者は主に睡眠と歩数をチェックしているのですが、わざわざスマホを立ち上げてアプリを確認しなくても、ウォッチ本体で必要な情報が確認できたのが便利でした。

睡眠モニタリングでは目標の睡眠時間に対して、どの程度の睡眠が取れているのか、円状のラインでわかりやすく表示されています。入眠時間や起床時間についてもウォッチで確認できるのは手軽でした。

  • 目標の睡眠時間に対して、どれくらい達成できているかがわかりやすい

  • 睡眠データが手軽に確認できる。BPMは1分当たりの心拍数のこと

歩数はウォッチのトップ画面で確認できます。ウォッチフェースは100種類以上あり、好きなタイプに自由に切り替えられます。筆者はデフォルトの表示が気に入り、そのまま使っていましたが、気に入ったウォッチフェースをダウンロードして、たまに違った雰囲気を楽しんでいました。ウォッチ画面の長押しで切り替えられるのも手軽でした。

  • 100種類以上のウォッチフェースを用意

  • デフォルトで4種類のウォッチフェースが入っている

Redmi Watch 2 Liteでは心拍数はもちろん、血中酸素(SpO2)レベルも測定できます。心拍数は内蔵された高精度 PPG センサーで24 時間トラッキング。1日のデータを平均値と共にウォッチで確認することができます。

  • 24時間の心拍数をトラッキング

血中酸素レベルでは身体がどれだけ酸素を取り込んで、体内に供給しているかがわかります。筆者は睡眠時と座っている時に自動測定する設定にしていました。医療目的のためではないので、あくまで参考程度の利用ですが、正常値の96~99%だと安心できます。

  • 血中酸素レベルはその都度、測定することも可能

ワークアウトモードはヨガ、HIIT、ピラティスなどのエクササイズモードのほか、トレーニング、ダンス、格闘技など、100種類以上。

筆者は主にウォーキングをしているのですが、1kmごとに振動して知らせてくれたほか、(ウォーキングではなく)普通に目的地まで歩いていても、「ワークアウト中ですか?」といったメッセージが出て、運動を促してくれるのがよかったです。

  • ワークアウトモードはウォッチから手軽に切り替えられる

  • ウォーキング中の表示。1kmごとに振動するので距離がわかりやすい

Redmi Watch 2 Liteは5ATM(水深50m)の防水性能を備えているので、シャワーなど、少々の水濡れは大丈夫。プールで着用することもできるので、スイミングでも測定してみたいと思っています。

アプリではさらに詳しい情報が確認できる

Redmi Watch 2 Liteではウォッチ側でほぼ情報が確認できるので、これまでに比べてアプリを確認する頻度が減りました。ウォッチだけで情報を確認できる便利さを実感しつつも、アプリではより詳細なデータを知ることができます。筆者はよく睡眠データとワークアウトの履歴を見ていました。

  • アプリのトップページ。Android ユーザーは 「Xiaomi Wear」アプリ、iOS ユーザーは「Xiaomi Wear Lite アプリ」になる

  • 左上の3つのリングは外側からカロリー、歩数、1時間ごとにスタンドした回数。目標値に対しての達成度が半円で表示される。なお最大酸素摂取量(VO2max)は測定できない

アプリの睡眠データでは、深い睡眠、浅い睡眠、レム睡眠など、より詳細な情報から、睡眠の質を確認していました。

睡眠の評価が「非常に良い」だと気分が良く、身体も十分に休養できたことを実感。睡眠時の心拍数データや血中酸素レベルも併せて確認できるので、見比べられるのも便利でした。

  • 睡眠の質がわかりやすく表示されている

  • 深い、浅い、レムの時間においてもその値を評価してくれる

  • 睡眠時の心拍数データや平均心拍数がわかる

  • 睡眠時の血中酸素レベルや平均血中酸素がわかる

ワークアウトについては、アプリだとルートを地図で見ることができるので、後からそのルートをイメージしやすかったです。位置情報は、世界の4つの主要なグローバルポジショニングシステムに対応したことで、より正確な情報を取得できるようになったそうです。

  • 地図データで運動した距離やペースなどが正確にわかる

また、アプリではワークアウト中の身体情報が細かく表示されます。ケイデンス(1分間当たりの足の回転数)からコンスタントに一定の速度で歩けていることが想像でき、ワークアウト中の心拍数データから、どの時点で負荷がかかったのか、有酸素運動が何分できたのかがわかりました。運動の効果が目で見て理解できることで、モチベーションが上がりました。

  • ケイデンスでは信号待ちなどで止まったタイミングもわかる

  • ウォーキングの運動効果がわかりモチベーションに繋がる

このほか、天気やメッセージ通知、アラーム、タイマーなど、便利な機能が揃っています。中でも面白かったのはコンパス。次にハイキングへ行く時には、富士山が見える方向などを、このコンパスで確認してみたいと思います。

  • サイドの機能キーを押すとメニューが表示される

  • コンパス機能。手元で方角がわかるのが面白い

このようにRedmi Watch 2 Liteのことを非常に気に入った筆者ですが、唯一の不満は天気の表示が自宅付近ではなく、少し離れた別のエリアになることでした。外出時にはそのエリアの天気になるのに、戻ってきたら同じように、違うエリアを表示しました。天気自体は同じだと思うのですが、できれば自分が住む地域の名前になって欲しかったです。

あと不満ではないのですが、アプリの「ステータス」、「ワークアウト」、「プロフィール」の表示のトップに表示される立体的なキャラクターが、不要なのでは? と感じました。ページにアクセスする度に、そのキャラクターが腕を回したり、ウォッチを操作するなどの動作をするのですが、データの表示自体はシンプルでわかりやすいのに、このような演出があることがアンバランスに感じました。とはいえ、このキャラクター、かわいいんですけどね。

とはいえこれらの機能と使いやすさで、1万円以内の価格というのはとても魅力的。ストラップを変えることで自分好みにカスタムもできるので、これからも楽しく使っていきたいと思います。