シンガーソングライターとして、アーティスト活動をしている藤原。一方で、女優デビューとなった連続ドラマ『ラヴソング』をはじめ、演じるという仕事も続けている。「演じることは、すごく音楽に還元されているなと思いますね」と語ると「歌もお芝居も、表現するという意味では近いものを感じます。舞台にも出演させていただきましたが、ライブ感や臨場感という部分では、いい刺激をもらいました」。

もう一つ、芝居の現場で大きな刺激となっているのが人との出会い。藤原は「音楽の現場って、結構閉鎖的なんですよ」と話すと「レコーディングとかって、マネージャーさんやディレクターさんなどはいますが、結構少人数で作業をすることが多く、楽曲作りも基本的には一人ですからね。でも映像や舞台の仕事って、本当に多くの方々が携わっていますし、いまはコロナ禍で難しいですが、数カ月一緒にいて、ご飯に行ったり飲みにいったりと、密に人と接することが多いじゃないですか」と出会いの多さを特徴にあげる。

続けて藤原は「音楽に必要なことって感情を揺さぶられること。一人でもインプットできることはありますが、やっぱり人との出会いや会話によって、人の感情って動くと思うんです。その意味で、お芝居の仕事って、その機会が多いんです」と語ると「これまでは、『ラヴソング』にしても舞台『偽義経冥界歌』にしても、お話をいただく役は歌を歌う役柄というのが多かったんです。『ファイトソング』も歌にまつわる話ですが、そうではない役で演技をできることがとても新鮮でした」と本作がとても大きな経験になっていることを明かす。

本作に参加し、凛というキャラクターに向き合ったことで「人に共感する力って大事なんだな」ということ学んだという藤原。「昔からYUIさんが大好きなんです」と、アーティストでありつつ女優としてのキャリアを持つ先輩を目標にあげると、「音楽だけでは関わることがない方々と一つの作品に向かって切磋琢磨する経験は、自分にとってすごく大きなことだなと思っています。今後は自分と乖離した役もやってみたいです」と女優業に意欲を見せていた。

■藤原さくら
1995年12月30日生まれ、福岡県出身。10歳ではじめてギターを手にし、高校進学後、少しずつ音楽活動を開始。2014年3月、オリジナルアルバム『full bloom』でインディーズデビュー。2015年3月、ミニアルバム『a la carte』でメジャーデビュー。2016年、フジテレビ系月9ドラマ『ラヴソング』に演技初挑戦ながらヒロイン役として出演、主題歌も担当し、注目を集める。その後、映画『3月のライオン』後編(2017)の主題歌、アニメ映画『劇場版 若おかみは小学生!』(2018)の主題歌なども担当。女優としては、劇団☆新感線『偽義経冥界歌』(2019~2020)で舞台初出演を果たし、2021年にはテレビ東京系ドラマ『DIVE!!』に出演した。現在、最新デジタルシングル「mother」が配信中。

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