米Mozillaは、2月8日(現地時間)にFirefoxの新バージョンとなるWebブラウザ「Firefox 97」をリリースした。Firefox 96から4週間でのバージョンアップとなった。Firefox 96では、2022年1月14日にマイナーバージョンアップの96.0.1、2022年1月20日には95.0.2、2022年1月27日には95.0.3がリリースされている。96.0.1では、以下の不具合の修正が行われた。
- Windows版で、[システムプロキシ設定を使用する]が設定されている場合、プロキシルールの例外が機能しない不具合に対処
- content-lengthヘッダーの解析をより強固にする改善を実施
セキュリティアップデートは行われなかった。95.0.2では、以下の不具合の修正・変更が行われた。
- Linux版で、オーディオの再生時にタブの高さが統一されないで表示される問題の修正
- プライベートブラウジングモードでLastpassのドロップダウンが空白で表示される問題の修正
- Facebookアプリのサイズを変更すると発生するクラッシュ問題を修正
セキュリティアップデートは行われなかった。95.0.3では、以下の不具合の修正・変更が行われた。
- 一部の検索テレメトリで予期しないデータが送信されてしまう問題の修正
96.0.3では、セキュリティアップデートは行われなかった。したがって、今回のバージョンアップは、96.0.3からとなる。
Firefox 97のインストール
すでに自動アップデートが可能な状況になっているが、ここでは手動でアップデートする方法を説明したい。Firefoxメニューの[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くと更新が自動的に開始される。[再起動してFirefoxを更新]をクリックする(図1)。
アップデート後のFirefox 97は、図2のようになる。
新規に、Firefox 97をインストールする場合、FirefoxのWebページからインストーラをダウンロードする(図3)。
[今すぐダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、インストールを開始する(図4)。
画面の指示に従い、インストールを進めてほしい。以下では、新機能や変更点のいくつかを具体的に見ていこう。
Firefox 97の新機能
続いて、新機能であるが、今回のリリースでは、以下の新機能の追加が行われた。
- Windows 11での新しいスタイルのスクロールバーをサポートし、表示を変更
- macOS版では、システムフォントの読み込みが改善、特定の状況で新しいタブを開いたり切り替えが高速化
また、変更点は以下の通り。
- 2022年2月8日には、Firefox 94で導入された18のColorwaysテーマが期限切れとなる。予定通り、特別な期間限定の機能セットは終了となる。ただし、有効期限内に使用している限り、お気に入りのColorwaysを保持は可能だ。つまり、アドオンマネージャーでColorways「有効」になっている場合、インストールしたColorwaysは今後も使用ができる。Colorwaysの更新についての詳細は、こちらを参照してほしい。
- Linux版では、印刷するためにPostScriptを直接生成する機能は削除された。ただし、PostScriptプリンタへの印刷は引き続きオプションとしてサポートされる。
セキュリティアップデート
同時に行われたセキュリティアップデートであるが、修正された脆弱性はCVE番号ベース で12件である。深刻度の内訳は、4段階で上から2番目の「High」が4件、上から3番目の「Moderate」が7件、もっとも低い「Low」が1件となっている。
「High」では、
- メンテナンスサービスを経由したWindows上のSYSTEMへの権限昇格
- 拡張機能が更新中に、権限の確認をバイパスする可能性
- Firefox 97とFirefox ESR 91.6で修正されたメモリ安全性の問題
- Firefox 97で修正されたメモリ安全性の問題
などが対応された。最高レベルの「Critical」はないが、早めのアップデートをすべきであろう。