日本マイクロソフトは2022年1月27日、1月11日から販売を開始した2画面Androidデバイス「Surface Duo 2」を含むSurfaceファミリーのオンライン説明会を開催した。

米MicrosoftのSurface担当者は、「私たちはハイブリッドの世界に2年ほど住み続けている。我々は新しい生活様式において、従業員、学生、フロントラインワーカーの生産性を向上し、連結(の維持を)支援してきた。各SurfaceデバイスはWindowsやOfficeと緊密に連携しながら作り上げ、最高の形で使えるようにした。それができるのはMicrosoftだけ」(Microsoft CVP, Microsoft Surface, Matt Barlow氏)と、Surface Duo 2の優位性を強調した。

  • Android 11を搭載した2画面デバイス(SIMフリー)の「Surface Duo 2」

  • Microsoft CVP, Microsoft Surface, Matt Barlow(マット・バーロゥ)氏

日本マイクロソフトが1月7日に発表したように、Surface Duo 2はデュアルディスプレイ型Androidデバイスの第2世代モデルである。国内未発売のSurface Duoで集めたフィードバックをもとに、ノーマル・望遠・超広角に対応したリアカメラを搭載。オーディオ機能の改善や電子決済などに用いるNFCの実装、本体サイズの調整やブラックモデルの追加も行われた。個人的には、ディスプレイを閉じた状態の側面に、着信やメッセージの通知、充電状況の表示や音量調整を行うサブディスプレイが便利そうに見える。

  • Surface Duo 2の主な特徴

上記のMatt Barlow氏ははSurface Duo 2について、「単なる電話(スマホ)ではない。これはSurfaceだ」とユニーク性を強調している。この発言はSurfaceファミリーが切り開いたと述べても過言ではない2in1 PCというジャンルを指す。さまざまなアングルで使えるディスプレイを持つSurface Studio(最新はSurface Studio 2)は、デスクトップPCの利用スタイルを大きく変えた。Surfaceシリーズの開発思想がSurface Duo 2にも継承されていることを意味したのだろう。

  • Surface Duo 2を手にするBarlow氏。各ディスプレイにOutlookとMicrosoft Teamsのチャット画面を表示させているという

Surface Duo 2の主要スペックはMicrosoft Storeの技術仕様ページを参照いただくとして、最大の特徴であるデュアルディスプレイについて、「とあるデータによれば、シングルディスプレイ(のAndroidデバイスを利用するユーザー)の約72%が生産性の維持に苦慮し、デュアルディスプレイは生産性が約42%向上する」(Barlow氏)とアピール。合わせてデュアルディスプレイに最適化したアプリへの注力も確約した。

筆者はまだSurface Duo 2の実機を目にしていないが、海外ITニュースサイトでは各ディスプレイの色温度が異なるといった指摘がある。その点について質問がおよぶと、「私は毎日のように(Surface Duo 2を)使っているが気にならない。ご自身でも実際に試してほしい」(Barlow氏)と回答。日本マイクロソフトも「我々も常に検査しているが、気になるときはカスタマーサポートに問い合わせてほしい」(日本マイクロソフト マーケティング&オペレーションズ部門 Surfaceビジネス本部 本部長 石田圭志氏)と対応を表明した。

日本マイクロソフトはSurface Duo 2のキャッチコピー「もう、スマホには戻れない」を主軸として、マーケティング施策を展開する。米国とは異なり、日本国内は「電車やバス(といった公共交通機関)で移動する場面が非常に多い。Surface Duo 2では移動の最中もMicrosoft Teamsで会議に参加しながら、Surfaceスリムペン2でメモも取れる」(石田氏)といった特徴をアピールしていく。2022年3月には、セレクトショップを展開するユナイテッドアローズとのコラボレーションも予定しているという。

  • 日本マイクロソフトが提案するSurface Duo 2の活用方法

スマートフォン全体に目を向けると、デュアルディスプレイや折りたたみ型ディスプレイを搭載するデバイスが目立つ。これは自由度の高いAndroidデバイス特有ともいえるだろう。筆者がSurface Duo 2の購入に踏み切れないのは、その価格設定が大きい。Microsoft Storeでは184,580円から。iPhone 13 Pro Max 1TBモデルとほぼ同等だ。

コンセプトが異なるため単純には比較できないが、コロナ禍で外出機会が大幅に減った筆者には高価なおもちゃになってしまう可能性が高い。また、Googleもデュアルディスプレイなどに代表される、大画面向けディスプレイを備えたAndroidデバイス向けOSとして、Android 12Lの提供を予定している。Surface Duo 2のAndroid 12L対応状況についてMicrosoftは、「Surface Duo 2はAndroid 11に最適化している。現時点でAndroid 12L(への対応が)どうなるかは、お伝えできない。ただ、毎月(OSの)アップデートは行っていく」(Barlow氏)と明言を避けた。

  • Surface Laptop Studioを手にするBarlow氏

また、日本マイクロソフトはSurface Studio風の操作をノートPCで実現したSurface Laptop Studioの予約を本日から開始した。3月1日からの発売を予定しており、Microsoft Storeの価格は209,880円からとなっている。

さらに新大学生向けキャンペーン「サがつく、Surface」として、学生向け数量限定特別モデルのSurface Laptop 4 13.5インチモデルを1月27日から販売開始し、1月29日からはSurface Pro 7+にタイプカバーを同梱した数量限定品モデル、2月8日からは消費者向けSurface Pro 7+の単独発売も開始する予定だ。個人的にはSurface Pro 8一択だが、Surface Laptop 4の安定感も捨てがたい。新大学生の皆さんは4年間使い続けることを踏まえて選んでいただきたい。ちなみに、Surface Pro 7+やSurface Pro 8以前の2019年に発売されたSurface Pro 7は、我が家でまだまだ現役だ。