有吉弘行が気心の知れた仲間たちと冬休みを過ごす様子に密着する、フジテレビ系バラエティ特番『有吉の冬休み2022 密着77時間in沖縄』が、今年も元日に放送される(1月1日21:00~)。芸能人たちが仕事を忘れたかのように自由に休みを満喫する姿が人気で、『夏休み』を含め11回目の放送となる同番組。大黒柱である有吉が、様々な顔を見せるのも特色の1つだ。

  • 沖縄を満喫する有吉弘行 (C)フジテレビ

    沖縄を満喫する有吉弘行 (C)フジテレビ

■ディレクターが「ロケ中に笑いすぎて必ず腹筋がつる」

先日、有吉と長年にわたって仕事をするある番組スタッフに、あれだけ多くのレギュラー番組を抱える中で、「すべての番組で自分が求められていることが分かっていて、使い分けている」という印象を聞いたのだが、この番組は仕事という意識がないためか、いくつもの顔を見せている。

それは、『有吉の壁』のようにムチャぶりした直後で適当にあしらったり、『正直さんぽ』のように心底美味しそうにグルメを堪能したり、『有吉クイズ』のように周囲を気にせずマイペースに進んだり、『かりそめ天国』のように他人の動きを冷静に見つめてコメントしたり…といった具合。さらにはダジャレにモノマネと、MCの立場になってからはあまり見せないプレイヤー的な動きまでこなしており、それはこの番組ならではの顔とも言える。

他の演者たちも、思い切りアクティビティを楽しんでいる様子がうかがえる。巨大海上アスレチックでは、助けようとして海に落とすという古典的なやり取りをしているが、それはカメラの向こうではなく、近くの仲間たちを意識してやって見せている印象。それが内輪受けにならないのは、見ている側もその仲間に入っているような感覚で楽しんでほしいという番組の姿勢がはっきりしているからだろう。

この番組の長沼昭悟ディレクターに取材した際、「ロケ中に笑いすぎて必ず腹筋がつります」「ずっと笑いながら編集してますね」と言ってたのが印象的だった。完全に仕事で参加しているはずのスタッフがそんな事態になってしまうのだから、そこに視聴者も巻き込まれてしまうのは、自然なことなのかもしれない。

  • (左から)有吉弘行、飯尾和樹、田中卓志、みちょぱ、吉村崇、鷲見玲奈、平野ノラ、青山テルマ (C)フジテレビ

■フジテレビが謝罪の報道発表を出さないのはなぜか

11回という長期シリーズになると恒例行事もいくつか生まれており、その代表が「アンガールズ田中の愛の告白」。旅に参加する女性を呼び出し、思い切って告白するというくだりだが、毎回見事撃沈し、悪態をつくというところまでワンセットになっている。最近の放送では、随所で田中は誰をターゲットにするのかといった話題が登場し、縦軸として有効に機能している面も。果たして、今回のターゲットは。そして結果を受けた田中のコメントは…。

  • イスで佇むアンガールズ・田中卓志 (C)フジテレビ

そんな仲間内らしい、バカバカしくてくだらないやり取りが次から次へと映し出される中、ポイントで流れる山下達郎の名曲たちが、旅の魅力を一気に引き立て、音楽の力をまざまざと感じさせられる。エンディングの雰囲気も、旅の終わりの哀愁にどっぷり浸かることができ、旅行気分における大事な要素がきちんと味わえる番組だ。

個人的には、12月に放送された『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』で登場した有吉&みちょぱのやり取りのモノマネがツボにハマったので、そのネタを思い出しながら本物の2人の会話を見ているだけで、クスッとできる楽しみ方を身につけることができた。

また、事前に予告されている松葉づえ姿で現れたビビる大木の悲劇にも注目。番組収録で出演者が大ケガをすると、テレビ局の広報部署から「関係者の方々、ご迷惑をおかけした皆様にお詫び申し上げます」と謝罪の報道発表が出される昨今だが、フジテレビがそれをしていないのはなぜか。ぜひ、今夜の放送で真相を確かめてほしい。

  • 松葉づえ姿で現れたビビる大木 (C)フジテレビ