シロカが10月30日に発売した電子レンジ「SX-18D132」は、実売価格が16,000円前後(2021年12月上旬時点)という手ごろな価格帯の中では珍しい、ミラーガラスを備えたデザインが魅力的。しかもこの電子レンジ、見た目だけでなく解凍性能も優秀とのこと。そこでシロカに伺って、実際に冷凍したひき肉や刺身用のサクを解凍してきました。
ひき肉も刺身のサクもキレイに解凍
SX-18D132の特徴は、シロカ独自の解凍プログラム「やさしさ解凍」を備えていること。まずは「やさしさ解凍」の実力を知るため、実際に解凍させてもらいました。
解凍のメニューは、火が通りやすい薄切り肉などに最適な「ひき肉/薄切り」、ブロック肉などに最適な「肉/魚」、刺身のサクなどの解凍に使う「刺身」の3つです。
まずはひき肉を解凍します。素材(ひき肉/薄切り肉、肉/魚、刺身)と食材の重さを設定すると、SX-18D132側で最適な出力のかけ方を調整して、食材にかかる負荷が少ないように解凍してくれます。食材にはラップをかけません。
カチカチのひき肉が、柔らかい状態に戻りました。このまま餃子などに調理できそうな状態です。ドリップもほとんどなく、こんなにキレイに解凍できるのはありがたい!
続いて刺身のサクを解凍。
冷凍マグロ(サク)の場合、熱が入ってしまうと刺身にならないため、中心が軽く凍った状態で仕上げます。電子レンジから取り出したあと、5~7分ほど自然解凍すると食べごろになるというわけです。
今回は状態を見るため解凍後すぐ包丁で切ってみましたが、表面は解凍できているものの、中心部分はまだ凍っていました。実際に食べるときは、追加で少し解凍するか、自然解凍してから切ると美味しい刺身にできそうです。
一般的に、冷凍したマグロを刺身で食べるには、流水で解凍したり、だいたい半日かけて冷蔵庫で解凍します。筆者の場合、準備と後片付けの手間や時間を考えると、なかなか「解凍して刺身にしよう」とは思えず、冷凍したマグロは焼くか煮るかして食べることがほとんど。SX-18D132なら上手に短時間で解凍できて、献立の選択肢が増えます。
特許出願中の「やさしさ解凍」
キレイに解凍できる工夫を、シロカの広報担当は次のように説明してくれました。
「一般的に15,000円前後の電子レンジは、200W相当と表記されていても、ずっと低出力に制御するのは難しいため、500Wなど高い出力で断続的に熱をかけることで、平均して200Wになるように調節しています。そうなると、食材の状態によっては熱が入りすぎたり加熱ムラが発生しやすくなります。SX-18D132では、100W・200W・300Wといった低出力で断続的に熱をかけるようコントロールしています。これによって、ひき肉や刺身用のサクなど解凍が難しい食材も熱が入りすぎず解凍できます。これが『やさしさ解凍』のプログラムです」
「やさしさ解凍」は特許出願中のシロカ独自の機能。食材の種類とグラム数ごとに、細かく出力と時間をプログラムしているそうです。
低出力でじわじわ解凍していくとキレイに仕上がりますが、そのぶん時間がかかるようにも思えます。「やさしさ解凍」では、200gのひき肉や刺身用サクを10分前後の解凍時間になるようプログラムしているとのこと。確かに、20分とか30分くらいかかると「ほかの方法でいいや」と思うもの。10分程度の解凍時間なら、日常の調理で気軽に使える長さではないでしょうか。解凍中は別の作業を進められますしね。
900Wの高出力も可能、お弁当をすばやくあたため
解凍機能がウリのSX-18D132ですが、もちろんご飯や飲み物のあたためも。メニューを選ぶと、最高900Wの出力と湿度センサーによる制御で、時間の設定なしで自動的にちょうどよくあたためます。湿度センサーを使っているので、ラップをかけないで使うのがポイントです。
庫内には「さっピカコート」というコーティングを施しています。庫内に液体が付着した場合、液体表面の膨らみを大きく保つ性質があるため、庫内に汚れがつきにくく拭き取りやすい点が特徴。庫内に飛び散りがちな調味料や油分などの汚れも手早くキレイにできます。掃除がしやすいのはうれしいですね。
本体サイズは幅45.8cm×奥行35.0cm×高さ28.2cmです。2万円を切る価格帯で期待以上に解凍が得意なSX-18D132は、コスパの良い電子レンジと言えそうです。