米Microsoftが現地時間2021年10月4日に発表したように、Windows 11がリリースされた。Windows 11は特定のプロセッサーやセキュアブートの有効化、TPM 2.0の搭載を最小システム要件と定めている。
その理由としてMicrosoftは「ランサムウェアのような一般的で巧妙な攻撃や、高度な国家による攻撃から身を守るため、TPM 2.0の搭載を義務付けた」と公式ブログで述べている。だが、Windows 11にはCPUファミリー&モデル、およびTPM 2.0の存在を確認するハードウェアチェックをスキップする機能が用意されていた。Windows 10・11のインストールメディアを作成するツール「Universal MediaCreationTool」の作者が作成した「SkipTPMCheckonDynamicUpdatev1/v2.cmd」は、スキップ機能を有効にするレジストリエントリを書き込むスクリプトである。
Skip_TPM_Check_on_Dynamic_Update_v1/v2.cmdの存在が影響したのかは不明だが、Microsoftは最小システム要件を満たさないPCでもWindows 11をインストールできるサポート情報を直後に公開した。先のスクリプトを実行せずとも、仮想マシンを含めたPCにWindows 11のインストールが可能になる。
長文だが上図の警告メッセージを引用しよう。
このPCは、Windows 11を実行するための最小システム要件を満たしていません。これらの要件は、より信頼性の高い高品質なエクスペリエンスを実現するのに役立ちます。このPCにWindows 11をインストールすることはお勧めできません。互換性の問題が発生する可能性があります。Windows 11のインストールを続行すると、お使いのPCはサポートされなくなり、更新プログラムを受け取る権利がなくなります。互換性がないことによるPCの損害は、製造元の保証の対象ではありません。[承諾]を選択すると、このステートメントを読み、理解したことを確認したことになります。
注目すべきは「更新プログラムを受け取る権利」だ。本稿執筆時点でWindows 11のセキュリティ更新プログラムや機能更新プログラムはリリースされておらず、Windows Update経由の配布が停止するのかは不明だ。本件については別のサポート情報でも強調し、暗に新しいPCへの買い換えをうながしている。読者諸氏は今あるWindows 10 PCを使い続けるか、Windows Subsystem for AndroidやWSLg(Windows Subsystem for Linux GUI)が正式サポートされたタイミングでWindows 11 PCに移行するかどうか検討してほしい。