パナソニックは9月21日、プレス向けオンライン発表会を開催し、ルームエアコン エオリア「LXシリーズ」を発表しました。新しいLXシリーズでは、冷房・暖房・除湿に加えて「加湿」と「換気」機能を搭載したことが大きな特徴です。
また、カビ菌などの有害物質を抑制するナノイー機能として、抑制スピードがアップした「ナノイーX 48兆」を採用。ラインナップは、おもに14畳用のCS-LX402D2からおもに29畳用のCS-LX902D2まで6モデル。電源はすべて単相200Vタイプになります。価格はオープンで、推定市場価格は352,000円前後~473,000円前後。11月中旬から順次発売予定です。
新素材「高分子吸着材」を室外機に
新モデルで注目したいのが室外機。LXシリーズの室外機には、吸湿素材の「高分子吸着材」を内蔵。屋外の空気中にある水分を、室外機の内部にためられます。冬の乾燥時などは、室内機の高分子吸着材に吸湿した水分を室内に放出し、水補給なしで室内を加湿。高分子吸着材は、膜素材が膨らむことで外気に含まれる水分を取り込む素材で、一般的な吸湿素材と比べて低温度下での水分放出性能に優れているのが特徴です。
もうひとつの見逃せない新機能が「換気」です。一般的なエアコンは、運転時に室内の空気を循環させるだけなので、屋外の空気を取り込むことはできません。
以前は「屋外の空気を取り込む換気機能」を持ったエアコンも少数ながらあったのですが、吸気用に太い配管が必要となるため、設置工事の手間から採用するメーカーが減少。ここ数年は「換気できるエアコン」をうたっているのはダイキンくらいでした。今回発表されたLXシリーズは、この換気機能に対応。コロナ禍で換気に対する意識が高まっているニーズに応えた新機能です。
LXシリーズは、換気機能と高分子吸着材の性質を組み合わせることで、新方式の除湿機能も備えました。室内の湿度が上がると、吸湿材である高分子吸着材を通して外部の空気を取り込み、水分が取り除かれた乾燥した空気を室内に送り込むという「ドライ給気制御」です。
一般的なエアコンの除湿機能は、空気を冷やすことで空気中の水分を結露させて除湿しますが、新しい除湿機能は高分子吸着材という除湿剤を使った方式。このため、室温を下げすぎずに除湿できるというメリットがあります。
従来比100倍のOHラジカルで除菌・除臭スピードアップ
パナソニックの高機能エアコンといえば、同社の独自技術「ナノイー」による除菌・除臭機能も特徴的です。パナソニックのルームエアコンで最上位となるLXシリーズも、もちろんナノイー機能を搭載。しかも、2021年8月に加わったばかりの「ナノイーX 48兆」デバイスです。
「ナノイーX 48兆」デバイスは、ナノイー内の除菌・消臭成分「OHラジカル」発生量が約48兆個/秒というもの。これまでのナノイーXと比べて、100倍のOHラジカル発生量です。除菌・消臭成分が約100倍になることで、除菌や脱臭が従来製品よりもスピードアップしているとのこと。
IoT機能によりシーンにあわせた自動制御
エオリアシリーズの上位機種はもともと、スマートフォンと連携した遠隔操作など、IoTを活用したさまざまな便利機能を搭載していました。新モデルでは新しく「シーン推定自動運転機能」を追加。生活のシチュエーションやシーンにあわせた、賢い制御が可能になりました。
たとえば、スマートフォンのGPSからユーザーの帰宅を検出して自動でエアコン運転をスタートしたり、エアコン本体の照度センサー情報から寝室への入室時間や入眠時間をAIが学習してエアコンの運転タイミングをおすすめしたり――。入眠時には自動で睡眠に適した温度に調整するといった制御が可能です。
新しいエオリア LXシリーズ、とにかく注目したいのが加湿と換気機能の追加。とくに、外気の水分を集めて室内を加湿する無給水加湿機能は、いままではダイキン独自の機能といわれており、加湿もできるエアコンを選ぶならダイキン以外の選択肢はありませんでした。今回のLXシリーズによって、無給水加湿機能を持つエアコンに新たな選択肢ができたのは大歓迎です。
エアコンクリーニングサービスはお掃除タイミングを通知
あわせて「エアコン クリーニングサービス」もリニューアル。このサービスは、パナソニック製品のメンバーズサイト「CLUB Panasonic」に登録されたエアコンを対象とした有料サービスです。
これまでは、ユーザーが任意のタイミングでWebサイトなどから申し込むと、室内機の分解洗浄や高圧水による内部洗浄、点検、動作確認を有償で行うサービスでした。今回のリニューアルでは、エアコンのクリーニングが必要なタイミングを無料で通知する機能が追加されました。
通知のタイミングは、インターネットに接続されていないエアコンは購入からの経過年数を元に算出。IoT対応エアコンでインターネット接続している場合は、購入からの経過年数と運転稼働時間を元に算出します。
クリーニングの通知のみなら無料で、クリーニングを行うときは有料。~6.3kWのエアコンクリーニング代は24,200円で、6.4kW~は37,400円。フィルターお掃除ロボットを備えたエアコンの場合は+5,500円となります。