ダイニチ工業は7月28日、ハイブリッド加湿器の新製品「RTXシリーズ」を発表しました。最大加湿量が570mL/hの「HD-RXT521」、800mL/hの「HD-RXT721」、960mL/hの「HD-RXT921」の3機種です。発売日は8月2日で、価格はオープン。推定市場価格はHD-RXT521が25,100円前後、HD-RXT721が28,400円前後、HD-RXT921が32,800円前後になります。
加湿器を使わない大きな理由のひとつは「お手入れ」
ダイニチ工業の加湿器といえば、室内温度にあわせて気化式と温風気化式を自動的に切り替えるハイブリッド式を採用しているのが特徴。ハイブリッド式は水を含んだフィルターに風(あるいは温風)を当てる方式です。加湿した空気を室内に送風するため、広い範囲をしっかり加湿できるメリットがあります。しかもダイニチ工業の加湿器はパワフルな(加湿能力が高い)ことから、コロナ禍において加湿器シーズンを中心に売り上げが急拡大したそうです。
一方で、2021年3月に行った2万人を対象とした調査では、6割以上の人がそもそも「加湿器を使っていない」と回答。加湿器を利用しない理由の大きな要因として「お手入れが面倒」という声がありました。
そこでダイニチ工業は、2008年からの人気定番モデル「RXシリーズ」に、ハイエンドモデルにのみ搭載していた「カンタン取替えトレイカバー」を導入。新たにRXTシリーズとして発表しました。
カンタン取替えトレイカバーは、給水タンクからの水を受けるトレイに、使い捨ての「トレイカバー」をセットする仕組みです。ヌルヌルとした水アカや汚れが付いてきたら、カバーを新しいものに交換すればよし。フィルター部は手洗いする必要はありますが、トレイカバーを洗う必要がないだけで、メンテナンス全体の手間がグッと減ります。
「トレイにカバーをセットできるようにする」――と聞くと簡単そうですが、開発はかなり難航したそう。最大の理由が、ベースとなるRXシリーズがコンパクトな加湿器であることです。RXシリーズの外形サイズを保ったままトレイカバーがセットできるようにするため、トレイの内部構造を大幅に変更したといいます。
とくに難しかったのが、トレイ内の水位を検知する「フロート」とよばれるパーツの小型化。そのままのサイズでカバーをセットするには、フロートサイズを4割ほど縮小するのが絶対条件でしたが、フロートの性能を維持しつつ小型化を成功させるまでには半年かかったとのこと。
ダイニチ工業は、トレイカバーを備えたフラッグシップモデル「LXシリーズ」のユーザー(253人)に調査したところ、トレイカバーがあることでお手入れが「楽」「やや楽」になったと答えた人は86%と高い割合。トレイカバーのおかげで、ほとんどのユーザーが掃除が楽になると感じているようです。
LXシリーズはスマートリモコン対応で外出先からも操作可能に
RXTシリーズの発表とともに、業務用レベルの圧倒的な加湿量を誇るフラッグシップモデル「LXシリーズ」にも新モデルが登場しました。最大加湿量が1100mL/hの「HD-LX1021」と、1300mL/hの「HD-LX1221」の2モデルです。推定市場価格は、HD-LX1021が40,500円前後、HD-LX1221が43,800円前後です。
従来モデルとの違いは、本体天面にリモコン信号を受信する赤外線受信部を搭載したこと。LXシリーズに専用リモコンは付属しませんが、リモコン受信部を搭載したことで、市販のスマートリモコンに対応。スマートリモコンを介して、外出先からの遠隔操作が可能になりました。
最近は遠隔操作できるエアコンが増えていますが、エアコンと一緒に加湿器も外出先から操作できるのはうれしいところ。より最適な環境の部屋に帰宅できるようになります。スマートリモコンから操作可能なのは、「運転 入/切」「運転モード設定」「湿度設定」の3つです。