パナソニックは7月7日、少人数世帯向けのIoT対応オーブンレンジ「ビストロ NE-UBS5A」を発表しました。出荷時は基本的な機能のみを搭載しますが、必要となった機能は、購入後に自分でアプリや別売りアタッチメントで追加する仕組み。この「マイスペック」コンセプトが特徴です。
発売日は9月1日で、価格はオープン、推定市場価格は65,000円前後。今回、初の「マイスペック」コンセプト製品ということで、メディア向けの体験会も開催されました。体験会で実際に触れてみたNE-UBS5Aの使い勝手など、詳しくレポートします。
シンプルなデザインに「必要な機能だけ」搭載
最近は高機能・多機能な家電が増えていますが、その一方で、機能が多すぎて把握できないユーザーも。多機能化すると、操作やデザインが複雑になりがちという問題も発生します。そこでパナソニックが打ち出したのが「マイスペック」というコンセプトです。
購入時は基本的な機能のみを搭載した製品となっており、自分が必要だと感じた機能はIoTでダウンロード。あるいは、別売りのアタッチメントを購入して機能を追加するという考え方です。
これにより「多機能だけど必要ない機能も多い」「余計な機能のために操作ボタンがやたら多い」という問題を解決。自分に必要な機能はしっかり利用しながら、スッキリした操作デザインも保てます。今回のオーブンレンジ「ビストロ NE-UBS5A」(以下、NE-UBS5A)は、この「フルスペック(全部入り)」より「マイスペック(自分が必要な機能だけ)」というコンセプトで開発された製品の第一弾です。
多くのメーカーは、IoT機能を搭載した家電はファミリー向けサイズのフラッグシップモデルに設定していますが、NE-UBS5Aは庫内容量が25Lという単身~3人世帯向けのサイズながら、IoT機能を搭載している点が特徴です。
専用アプリ「キッチン ポケット」と連動することで、機能やメニューを簡単に追加できます。体験会では、別売りアタッチメントを連動させて「グリル」機能を追加するデモンストレーションが行われました。
ちなみに、グリル皿とスチームポットアタッチメントは底面にフェライトゴムを配置。この素材は電波を吸収すると発熱するため、電子レンジ調理でも焼き色を付けられます。電子レンジ調理なら余熱がいらないため、急いでいるときの蒸し調理や蒸し焼き調理に便利そう。
チームポットのステンレス製のフタは電波(電子レンジのマイクロ波)を通さないようになっているため、フタを閉めた状態では、ポット内は電波の影響を受けません。つまり、電子レンジではNGとされる調理(たとえばゆで卵)もできるわけです。底面のフェライトゴムが発熱して、容器の水を温めて、それが蒸気になって調理する――という仕組み。
会場ではこのスチームポットを使い、フレンチトーストの調理デモと試食が。前日から卵液に浸したというトーストをスチームポットにセットし、アプリから「朝食フレンチトースト」モードを選択するだけ。完成したフレンチトーストはまさに「フライパンで焼いたような」できあがりでした。
家電をIoT化する理由はこれまで、機能の充実や複雑な操作のサポートといったものがほとんどでした。しかし、NE-UBS5Aは機能を可能な限り「削る」ためにIoT化したという珍しい製品。
体験会ではじっくりと製品を試す時間はなかったのですが、ムダな機能を搭載しないコンセプトのおかげでデザインがとてもすっきりしていて、操作しやすい点はすぐに実感できました。現在のところ、追加できる機能は限定的ですが(大きくはグリルとスチーム)、基本機能はシンプルながら「欲しい」と思った機能を後から足すというコンセプトは魅力的。なかなか難しいとは思いますが、追加できる機能やオプションが増えていくと、もっとおもしろくなりそうです。