オンキヨーホームエンターテイメントは、同社株式の上場廃止について発表。東京証券取引所において、6月30日をもって整理銘柄に指定されており、8月1日付で上場廃止となる。
オンキヨーは「このような決定を受ける事態となったことを、株主の皆様を始めとする関係各位の方々に深くお詫び申し上げる」とコメントしている。
同社は2019年5月、デノンやマランツなどのオーディオブランドを持つSound Unitedと、オンキヨーのホームAV事業の譲渡契約を締結し、譲渡対価で得た資金によって支払遅延の解消と既存借入金の返済を進め、財務状態の改善を図る計画だったが、交渉が難航して譲渡を中止。
その後、新株式発行などで資本増強を図り、2020年10月にグループ再編を行って主力のホームAV事業に再注力し、経営を立て直す体制を整えていた。しかし、新株発行の調達金額が予想を大きく下回ったことなどが影響し、債務超過を解消できなかったため、東京証券取引所ジャスダック市場の上場廃止基準に抵触、2021年7月末頃に上場廃止となる見込みと発表していた。
なお既報の通り、オンキヨーはホームAV事業の譲渡に向けて本格的な協議を行ってきた。以前より取引のあったシャープや、米国販売代理店 11 Trading Companyの親会社である米VOXX International(VOXX)との間で協議を行い、シャープとVOXXが合弁で設立する新会社に、オンキヨーのホームAV事業をすべて譲渡することを決定。6月25日に開催したオンキヨー定時株主総会において承認を受けた。譲渡額は約33億円。