フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)では、シングルマザーのタクシー運転手に密着した『東京、タクシー物語。前編 ~コロナとシングルマザーの運転手~』を、9日に放送する。

  • 『ザ・ノンフィクション』の密着を受ける恭子さん=フジテレビ提供

2021年春、緊急事態宣言下の東京の街を走るタクシードライバーがいた。恭子さん(45)は、6歳の一人娘を持つシングルマザー。彼女がタクシー業界に飛び込んだのは3年前、故郷・茨城の映画館で長年働いていたが、転職を決意したのは「離婚」が原因だった。当時2歳だった娘の将来を思い「もっと稼げる仕事」を探した結果、行き着いたのが「東京のタクシー運転手」だったのだ。

深夜乗務が基本となる仕事では、1人で子育てはできない。タクシー会社が運営する保育園に娘を預けながら、会社が借り上げた部屋に、70歳の母と3人で暮らしている。

「娘の将来のために…」とタクシー運転手へ転身し、収入を確実に増やしていった恭子さんだったが、2020年春、新型コロナウイルスが全てを変えてしまった。度重なる緊急事態宣言で、街からは人が消え、タクシー運転手の頼みの綱とも言える深夜の乗客も激減してしまったのだ。

かつてない大打撃を受けているタクシー業界。恭子さんの月収も以前の半分以下になってしまう。持病を抱える母と暮らす彼女は、コロナに感染する不安とも常に背中合わせ。そんな最悪の2020年を終えて、コロナの終息を願い迎えた2021年は、2度目の緊急事態宣言の発令から始まった。そして4月、3度目の緊急事態宣言…。

まったく終わりの見えないコロナ禍の中で、きょうもタクシーを走らせるシングルマザーの闘いを、女優・永作博美のナレーションで見つめていく。

(C)フジテレビ