該当のページが存在しない時にウェブサイトで代わりに表示される、いわゆる「404エラー」ページには、各社が工夫をこらしたクリエイティブが用意されていることが多い。なかでもミニゲームを仕込んだ404ページは、その発想のユニークさからネットでたびたび話題になる。

こうしたミニゲームは、お目当てのコンテンツを見つけられなかったイライラを緩和してくれるのはもちろん、企業サイトの堅苦しいイメージを和らげる効果も期待できる。SNSなどで話題になることにより、それまで縁がなかったユーザの流入にもつながるほか、紹介されることで外部からの被リンクが稼げるという、SEO的なメリットもありそうだ。

今回は過去に話題になった、ミニゲームを実装する404ページを5つ集めてみた。多くは8ビット風など、レトロゲーム好きにはたまらない仕様で、サイトを訪れた本来の目的も忘れてついつい楽しんでしまう。本業とうまく内容を結びつけているゲームも多く、サイトを作る側としても参考になるはずだ。

ヤマト運輸:中にクロネコが隠れたダンボールを探そう!

ヤマト運輸の404ページには、30個のダンボールの中から、クロネコが潜んでいる箱を見つけ出すミニゲームが掲載されている。制限時間は30秒、つまり1秒にひとつの箱をクリックして開けていけば見つかるはずだが、意外とギリギリまで発見できずに焦ることもしばしば。基本的に運だけで決まることもあってか、後述する他社のミニゲームなどと違ってスコアなどの投稿機能はないが、ビジュアルのかわいらしさゆえ知名度はひときわ高い。

  • ヤマト運輸の404ページ

タイトー:おなじみスペースインベーダーの404バージョン

タイトーの404ページには、名作ゲーム「スペースインベーダー」が実装されている。遊び方は基本的にオリジナルと同じだが、ブロックは穴を開けることができず、連射でまるごと消滅するほか、残機が1しかないためやられると即ゲームオーバーとなるなど難易度は高め。インベーダーの編隊が「404」の形状になっているのも面白い。全機撃墜すると間髪入れずに最初の画面に戻って再スタートするエンドレス仕様を採用している。

  • タイトーの404ページ

Wendy's:具材を落としてハンバーガーを完成させる

ウェンディーズの404ページには、具材を下に落として巨大なハンバーガーを完成させるゲーム「バーガータイム」を同社仕様へと改めたミニゲームが掲載されている。上下左右キーを使い、迫ってくる敵(ウィンナー)を避けながら店員の女の子を操作する仕組みで、こうしたミニゲームには珍しく残機が3機用意されている。スコア表示機能はあるがSNS投稿などの機能はなく、また2ステージ目以降は用意されていない。

  • ウェンディーズの404ページ

プラチナゲームズ:勇者をジャンプさせてモンスターを攻撃する

プラチナゲームズの404ページには、スペースキーで勇者をジャンプさせ、Enterキーで攻撃することで、画面右から迫るモンスターを倒す横スクロール式ゲーム「Angel Land」が掲載されている。モンスター1体につき複数回の攻撃を必要とするため難易度は高く、ナメてかかると一瞬で終わってしまう。ゲームオーバー後はTwitterにスコアを投稿する機能も用意されている。サイトのある場所に攻略のヒントが書かれているともっぱらの噂。

  • プラチナゲームズの404ページ

Développeur Web sur Lille:落下する人をマウスオーバーで救出する

Développeur Web sur Lilleは、上空から落下してくる人にマウスをかざすとパラシュートが開いて救助できる、レミングスをモチーフとしたゲーム。着地までの距離を伸ばすためにブラウザの天地サイズを広げ、かつ左右を狭めてマウスの移動距離を短くすると高得点が出やすいが、それでも全404人の半分も救えれば上出来。404ページのミニゲームの例として古くから知れた存在だが、実は企業サイトではなくクリエイターRomain Brasier氏の個人ページのコンテンツだ。

  • Développeur Web sur Lille

(番外編)Google Chrome:恐竜をジャンプさせて障害物を避ける

正確には404ページではないが、ChromeのURLバーに「chrome://dino/」を入力すると、オフラインエラー時に表示されるゲームをプレイできる。スペースバーで恐竜をジャンプさせ迫るサボテンを避ける横スクロール式のシンプルなゲームだが、ステージが進むと速度が上がるほか、サボテン以外のオブジェクトが登場するなど難易度が上がる。背景が夜になるなどグラフィックの変化も。残機は1で、ミスすると即ゲームオーバーとなる。

  • 「chrome://dino/」で表示されるページ