女優やモデル、声優にと活躍の幅をグングンと広げている飯豊まりえ。「芸能界に入ったきっかけは、『両親が喜んでくれるかもしれない』と思ったから」。「人にモノをあげるのも大好きで、誰かに楽しんでもらうことが大好き」と話すなど、新しい扉を開く原動力となっているのは、持ち前の“献身力”だ。

実話をもとに描くオムニバスドラマ『そのご縁、お届けしますーメルカリであったほんとの話―』では、誰かが手放したモノを新しい持ち主へと運ぶことで、人と人との縁をつないでいく配達員の女性・陸を演じる。がむしゃらに突き進む中で「縁の大切さを感じることばかり」だという飯豊に、デビューのきっかけとなった「avex kids×ニコ☆プチ公開モデルオーディション」の裏側や、声の演技も磨いた『獣電戦隊キョウリュウジャー』での経験など、これまでの転機や芸能活動の喜びを語ってもらった。

  • 飯豊まりえ

本作は、国内最大のフリマアプリ「メルカリ」に届いた、2万を超える体験談の中からエピソードを厳選し、それらをもとに北川亜矢子氏が脚本を書き下ろした、オムニバス形式のオリジナルドラマ。

脚本を読んで「私の大好きな映画『魔女の宅急便』のようで、すごくハートフルな物語だなと思った」という飯豊。「陸がモノを届けることによって、売る人、買う人、それぞれの物語が明らかになります。視聴者の方には、『明日も頑張ろう』という気持ちを届けられる役。私自身、『誰かに元気を与えられる人になりたい』といつも思っているので、そういう光を与られるような作品に出られて、とてもうれしいです」と笑顔を見せる。

様々な事情を抱えたキャラクターが登場する本作。陸自身もある過去を抱えており、回を追うごとにそれが明らかになってくる。役作りでは、「(片桐健滋)監督はとても温かな方で、陸とすごくリンクしたんです。陸と家族のシーンは、監督の経験も少し投影されているそうなんです。だから役作りのためにも、監督をずっと見ていました。身近にお手本があって、ラッキーでした」とニッコリ。また、陸の育ての親を演じる塚地武雅については、「コント番組『LIFE!~人生に捧げるコント~』以来、塚地さんとまたご一緒できました。また楽しい作品でお会いできて、すごくうれしかった」と声を弾ませる。

  • (C)「そのご縁、お届けします」製作委員会・MBS

「片桐監督ともまたいつかご一緒できたら」と監督や共演者との再会も喜びだが、飯豊は「出演した作品を誰かが見てくれて、そのことによって次の作品に巡り合える。このお仕事では、そういった縁を感じることばかり」だと話す。「私も視野を広げたいと思う時は、メイクさんやスタイリストさんなど、SNSで見つけて、初めてお会いする方にお願いすることもあるんです。振り返ってみると『この時期に出会う人だったんだ』と思うことが多くて、それもすべてご縁ですよね」と縁を大切に、今日まで進んできた。

芸能界入りのきっかけは、「両親が喜んでくれると思ったから」とキッパリ。「一人っ子だったこともあり、小さな頃から『私は両親を幸せにするために生まれてきたんだ』と思っているところがあって。私にとって原動力となるのは、“両親を喜ばせたい”ということなんです」と告白する。

その思いを胸にオーディションを受けていたそうだが、「なかなかオーディションに受からなくて、母から『これが最後のオーディションね。これでダメだったら諦めよう』と言われて、最後のオーディションとして受けた」というのが、10歳の時にチャレンジした「avex kids×ニコ☆プチ公開モデルオーディション」。

「『ニコ☆プチ』の編集長だけが、私を選んでくれたんです。他の審査員の方は、誰も私のことを選んでいなかった(笑)。編集長のおかげで、今、私はここにいます。それが大きな転機となり、人生が変わりました。恩人ですね」と道が開けた。「数年後、編集長に『なぜ私を選んでくださったんですか?』と尋ねたら、『他の子よりもなぜか目立っていた。普通っぽいのに、普通じゃなかった』とおっしゃっていました」。