俳優の窪田正孝が主演を務めるNHK連続テレビ小説『エール』(総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)は、新型コロナウイルスの影響で29日より一時休止となり、第1回から再放送が始まった。このたび、喜多一店員・及川志津雄役の田中偉登がコメントを寄せた。

喜多一店員・及川志津雄役の田中偉登

朝ドラ初出演となった田中は「何度かオーディションを受けたことはあるのですが、 出演できなかったので、今回のお話を聞いた時は心が躍りました。と、同時に歴史ある番組に参加することに不安も大きかったので、撮影までの間、自分自身に『やれるやれる』と言い聞かせていました。だんだんとその不安を燃料にして、出演するからには、しっかり前に出て演じたいという熱が沸いてきた感じです」と心境を告白。

「関西出身なので、福島の方言は難しかったです。言葉に違和感があると、福島で見ている方には話が入っていかないんじゃないかと思って、方言指導の先生が吹き込んでくれたテープを聞いて、ずっと練習して、役を演じるうえで大事にしていました。撮影中はぜんぜん気が抜けなかったです」と、方言に苦労したという。

唐沢寿明との共演はとても刺激になったようで、「唐沢さんは、カメラがまわっていない時でも気さくに『おい、及川!』と呼んでくれて、喜多一の雰囲気作りをしてくださって、役者としても人としても尊敬できる方です。唐沢さんのセリフはどれも言葉に重みがあって、心に響くんですよ。様々な経験が積み重なってそうなっていくものだと思うし、今すぐマネできるものではないんですが、僕も一つ一つの言葉に魂を込めて、セリフを大事に表現できるようにしていきたいって思いました」と回顧。

また、菅原大吉との共演について、「役柄同様いつも温かく見守ってくださって、『大丈夫だよ』って声をかけてもらいました。その言葉にすごく安心して撮影に臨むことができました」と振り返った。

自身が演じる及川以外に気になった登場人物を聞かれると、「浩二(佐久本宝)ですね」と答え、「佐久本くんとは、以前からプライベートでも仲良いので、僕の中では役柄含めて味方だと思っていました。僕自身は、俳優という仕事のために上京して、兄弟は地元にいるので、どちらかというと裕一の生き方に近いんですけど、だからこそ浩二の気持ちが気になるというか、 見守りたいなと思っていました。夢を追って福島を出る裕一に及川が対峙するシーンで、浩二と似た感情を持ってぶつかることができたのも、そういう気持ちからだと思います」とコメント。「それにしても、浩二と一緒に喜多一を続けたかったなぁ」と吐露した。

そして、再放送で注目してほしいシーンについて、「呉服屋のシーンでは、喜多一の従業員みんながお客さんに接しているところや反物に触れているところなど、丁寧に演じているので、気にかけてもらえると新しい発見もあると思います。あとは、唐沢さんとのからみで、及川が素で驚いたりする場面も実はあったりするので、注目してもらえると嬉しいです」とメッセージ。

さらに、自身の今後の目標について、「出演した映画『朝が来る』の河瀬直美監督から主役でなくても、たとえ自分が映ってないシーンでも芝居相手に影響を与えて作品全体が良くなれば、自分の存在価値はあると教わり、さらに『エール』の出演を通して、役者としての責任感が増してきました。今回、自分に足りない部分を多く学ぶこともできたので、これからもいろいろな 役柄に挑戦して、人の人生に触れられる役者になっていきたいです」と語った。

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