ASUSの「TUF Gaming VG279QM」は、最大リフレッシュレート280Hzという超高速の描画に対応するゲーミング液晶ディスプレイ。ティアリング(画面ズレ)を抑えるAdaptive SyncとG-Sync Compatibleに対応、さらに画面ブレを抑える「ELMB」も同時使用が可能とまさにゲームを快適にプレイするための機能を詰め込んだ1台となっている。

  • ASUSの「TUF Gaming VG279QM」。4月24日に発売予定で、想定価格は税込50,000円台

    ASUSの「TUF Gaming VG279QM」。4月24日に発売予定で、想定価格は税込50,000円台

まずは基本スペックを紹介しよう。サイズは27インチで解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)だ。パネルの種類にはIPSを採用しており、視野角は水平178度、垂直178度と広い。横から見ても色の変化はなく、表面仕様はノングレアなので映り込みはしない。また、IPSパネルは応答速度が遅い傾向にあるが、本製品は1ms(グレーからグレー)と高速だ。

  • IPSパネルを採用し、色の彩度はsRGB 99%となっている。視野角は広く、横から見ても色の変化は少ない

入力端子はHDMI(2.0)が2系統、DisplayPort(1.2)が1系統となっている。このほか、2W+2Wのステレオスピーカーを備え、背面にはステレオミニジャックのヘッドホン出力も備えている。

  • 入力端子は背面に用意。HDMI×2、DisplayPort×1、ヘッドホン出力を備える

高機能なスタンドもポイントだ。上33度、下5度のチルト機能、0~130mmで高さ調整が可能、スイーベルやピボット(画面の回転)にも対応しており、自分の好きな角度に調整しやすくなっている。また、スタンド下部にはケーブルを通すための穴が用意されており、電源やHDMIケーブルなどをまとめておける。なお、本体のサイズはスタンド込みで幅619.4mm、奥行き211.37mm、高さ376.73~506.73mm。重量は5.6kgだ。

  • 高さ調整、チルトやピボットなどに対応する高機能なスタンド

  • 底面はスウィーベルに対応

  • スタンドの下部にはケーブルをまとめるための穴が用意されている

OSDメニューは右隅の背面にあるボタンから呼び出せる。気になるゲーム関連は「ゲーミング」というメニューにまとめられている。280Hzの高リフレッシュレート動作には「オーバクロック」をオンにする必要がある。

  • OSDメニューは背面のボタンから呼び出して操作できる

  • ゲーム関連は「ゲーミング」のメニューにまとめられている

ティアリング(画面ズレ)を防ぐには、Adaptive-Syncをオンにする。Adaptive Syncとは可変リフレッシュレート技術で、ビデオカード側とディスプレイ側の描画を同期させて画面にズレが起きないようにするというもの。本製品はNVIDIAのG-Sync Compatibleにも認定されており、ビデオカードがAMDのRadeonシリーズでもNVIDIAのGeForceシリーズでもAdaptive-Syncを使える。

「ELMB SYNC」は画面の残像感を軽減して、よりゲーム内の動きを見やすくするもの。本製品ではAdaptive-Syncと同時に有効化できるため、画面のズレとブレを両方軽減し、より快適にゲームできるのが大きな魅力と言える。このほか、「Shadow Boost」を使えば、ゲーム内の暗い部分を見やすくできる。ゲーム中の洞窟内や建物内など暗くて見にくいと感じた場合は使ってみるといいだろう。

また、「GameVisual」では映画、レース、FPSなどシーン別の画質設定が用意されている。ゲーム系の設定は画面が明るくなる傾向があり、普段使いにはあまり適さない。ゲーム以外ではsRGBモードを使うのが無難と感じた。このほか、ブルーライトをカットする機能も用意されている。

  • 「Shadow Boost」は4種類の設定を用意。実際にゲームをプレイしながら調整するのがいいだろう

  • 「GameVisual」ではシーン別の画質設定が容易されている

本製品一番のウリである280Hzの高リフレッシュレートだが、ディスプレイ側のオーバークロックをオンにし、Windows側のリフレッシュレート設定を280Hzにすることで有効となる。その滑らかさは一般的な60Hzのリフレッシュレートとは比べものにならない。マウスカーソルの動きやブラウザでWebサイトをスクロールするだけでも、描画の滑らかさをハッキリと体感できる。

フォートナイトをプレイしてみたが、振り向きなど素早い動きでは、その滑らか描画が強く感じられる。ただし、ゲームで280Hzをフルに体験するためには、秒間280fpsという超高いフレームレートを出せるマシンパワーが必要となる。軽めのゲームであったとしても、GeForce RTX 2080 SUPERなどハイエンドクラスのビデオカードではなければ難しい。逆にマシンパワーがあるのであれば、それを十分活かせるディスプレイとも言える。ちなみに280Hzを設定できるのはDisplayPort接続時。HDMI接続では最大240Hzになる。

リフレッシュレート280Hzを480fpsで撮影し、スローモーション再生に変換したもの。それ以下のリフレッシュレートよりもコマ数が多いのがわかるだろう。これがゲームでの滑らかな描画につながる

PCでゲームをするのに最適な1台であることは間違いない。280Hzのリフレッシュレートによる滑らか描画、Adaptive-SyncとELMB SYNCで画面のズレとブレを防止、Shadow Boostで暗部も見やすくと、まさにスキのない作り。スタンドも高機能で、高さや角度の調整もしやすい。フルHD液晶としては高価だが、それを感じさせないスペックを持っている。