2020年3月8日に第1話を放送した新番組『魔進戦隊キラメイジャー』が早くも子どもたちの注目を集めている。キラメイジャーのヒーローキャラクター、および誕生の経緯はすでに映画『魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO』(スーパー戦隊MOVIEパーティー)にて語られているが、テレビで放送された第1話は、4人のキラメイジャーに1人の高校生・熱田充瑠がキラメイレッドとして加わり、5人の仲間がそろうまでが描かれた。

  • 山口恭平(やまぐち・きょうへい)。1981年生まれ。『仮面ライダー龍騎』(2002年)より助監督として仮面ライダーシリーズに携わり、2012年『仮面ライダーフォーゼ』第23、24話で監督デビュー。映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』(2018年)を手がけたほか、Vシネクスト『ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ』(2019年)の監督も務めた

『キラメイジャー』単独インタビューの今回は、映画『魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO』およびテレビの第1話、第2話を手がけ、作品の骨子の部分を築き上げた山口恭平監督が登場。それまで携わってきた「仮面ライダーシリーズ」から「スーパー戦隊シリーズ」に移って本作でメイン監督を引き受けたいきさつや、ヒーローを演じるそれぞれの俳優、女優のキャスティング秘話など、テレビ放送がいっそう楽しくなること間違いなしのとっておきエピソードを訊いた。

――山口監督が『魔進戦隊キラメイジャー』のメイン監督を……というオファーを受けたのは、どなたからですか?

塚田(英明/チーフプロデューサー)さんからですね。これまで僕は「仮面ライダーシリーズ」の助監督、監督としてやってきましたが、「スーパー戦隊シリーズ」の現場はついたことがなかったんです。撮影スタッフは長く続けている方もたくさんいらっしゃいますし、最初に現場へ入ったときは、なんだか知らないクラスに1人だけ、みたいな"転校生"っぽい空気があって、ドキドキしました(笑)。

――山口監督が思う「仮面ライダー」と「スーパー戦隊」の違いとは何でしょう。

"固定フォーマットの有無"でしょうね。スーパー戦隊の場合、必ず「名乗り」や「巨大ロボット戦」といった定番シーンを入れなければならないといった"約束事"があります。そこをうまく演出することができるか、には注意しましたね。作品のカラーでいえば、仮面ライダーは少し影を背負うというか、やや"暗い"イメージを持たせているのに対して、スーパー戦隊は基本的に"明るい"雰囲気が大事だと思っています。ストーリーも仮面ライダーよりシンプルに努め、子どもたちにわかりやすく作る、というのを念頭に置きました。

――「仮面ライダー」をずっと手がけてきた山口監督だけに、今までの「スーパー戦隊」の流れを変えてみたい、という思いはありましたか?

そういう気持ちはあまり抱きませんでした。僕自身、子ども時代に『光戦隊マスクマン』(87年)を楽しんで観ていて、自分なりに「スーパー戦隊とはこうなんだ」みたいな思いを持っています。今回『キラメイジャー』をやるにあたっては、今まで伝統的にやってきたものを"壊して"いくみたいな発想ではなくて、伝統を受け継ぎつつ、自分自身の持っている「スーパー戦隊」の基本的なイメージを具現化したいと思って取り組んでいます。

――近年のスーパー戦隊、『宇宙戦隊キュウレンジャー』(2017年)や『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(2018年)『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(2019年)などは、演出の参考にされましたでしょうか。

もちろん、参考のためにいくつか観なおしました。『ルパパト』のスギ(杉原輝昭監督)と『リュウソウジャー』のカミホリ(上堀内佳寿也監督)は同世代で、僕と同じく「仮面ライダー」から「スーパー戦隊」の監督になったことでも共通しています。

――『キュウレンジャー』は史上最多メンバーの宇宙活劇、『ルパパト』は史上初のVS戦隊、『リュウソウジャー』は一見王道に回帰したと思わせながら、いくつも挑戦的な要素を組みこんだ作品となりました。このように近年はスーパー戦隊の骨子の部分を守りながらも、かなり積極的に"新しさ"を盛り込もうとする傾向があるようですが、今回の『キラメイジャー』はスーパー戦隊の「基本」に立ち返った作風になると思ってよいでしょうか。

構造そのものはオーソドックスなものになっていると思います。その中で、キャラクター設定や世界観などに意欲的な要素をいくつも盛り込んで、新鮮味を出したいと思っています。