• (C)フジテレビ

出演者への印象を聞くと、「役者さんにみんな共通して言えるのは、コピーするのが上手いですよね。こちらが教えた所作を含めて、ちゃんとやってくれています」と評価。木村佳乃は、松本氏が副院長を務める日本医科大学千葉北総病院の見学もしたそうで、彼女が見せる手術シーンは「見事ですよね。あれくらいの役者さんになると、まるで鵜飼の鵜匠のように、その場の空気をコントロールしていくのを、手術シーンではいつも感じています」と絶賛した。

その木村演じる消化器外科医・薫は、松下奈緒演じる心の夫が、自身の手術中のミスが原因で昏睡状態になったと思っていたが、第6話(2月13日放送)のラストで、実は薫の元上司・須藤(田辺誠一)が原因だったことが発覚した。この手術シーンは、松本氏の実体験が原型になっているといい、「絶対リアルです」と断言。松本氏は当時、薫側の立場だったそうだが、「自分の経験が何かの役に立てばうれしいですね」と、ドラマに反映させることについて語っている。

■腫瘍内科医の増加に期待

あらためて、今作が「腫瘍内科」をテーマに取り上げたことについて、松本氏は「これからたくさん人が必要になる分野なので、その仕事がドラマになってくれるのは、いいことだと思います。『ラジエーションハウス』も、放射線技師に焦点を当てたということで、あの業界ではみんな注目しましたから」と意義を強調。

現在、日本の腫瘍内科医の数は1,300人程度と、欧米の約13分の1にとどまっており、一説では今の日本における患者数に対し、5,000人程度の腫瘍内科医が必要だとも言われている。

「今、化学療法を専門にやるお医者さんが本当に少ないという実感があるんです。化学療法は、薬の種類も増えているし、組み合わせも増えているし、複雑化してるんですよ。でも、それががんの予後が延びていることにもつながっているので、そこに注力してくれる医師がたくさんいるというのは、絶対に必要だと思います」と話し、ドラマで注目を浴びることで、志望者が増えることにも期待を示した。

  • (左から)木下ほうか、藤井隆、清原翔、岡崎紗絵、松下奈緒 (C)フジテレビ