立花理香(たちばなりか)。2月27日生まれ。広島県出身。WITH LINE所属。主な出演は『アイドルマスター シンデレラガールズ』小早川紗枝役、『女子かう生』富戸もも子役、『八月のシンデレラナイン』阿佐田あおい役、『雨色ココア sideG』レイン役など

声優・立花理香が11月30日に開催するライブ「立花理香 3rd LIVE~Heart shaker~」。そのライブに向けて、自身初となるデジタルシングル「close to you」「Sky Diver」を2カ月連続リリースする。今回は楽曲についてや、自身が歌詞を手掛けた11月配信の新曲「Sky Diver」、さらには3rd LIVEへの想いを語ってもらった。

■サプライズ成功! 発表から配信までのスピード感には自身もドキドキ?

――「close to you」は発表から1週間で配信開始と、サプライズ的なリリースですね。

私自身も今までそうでしたけど、だいたいは「何月何日にこういうCD出しますよ」って前々からお知らせするものじゃないですか? でも今回の「来週これ出すぜ」っていうテンポ感、我ながらなんだか楽しいなぁと思って。「なんかロックだなぁ」とも思います(笑)。

※「close to you」は10月23日より配信スタート

――バンドが「実は明日からタワレコ限定のCD出します」みたいなこともありますけど、まさにそんな感じが。

ただ実は、ファンクラブ内では「新曲出す……よ?」みたいな話はしていたんです。でもいつ出すかは明かしてなかったので、「えっ、今!? 急!」みたいになっていたと思います(笑)。実際、発表のときにみんな「えー! なんだって!?」みたいなリアクションを取ってくれたので、「サプライズ成功!」ってちょっとニヤニヤしちゃいました(笑)。正直、私も発表のときは「来週だぜ!?」って思いましたけど(笑)、配信ならではのこの突然感、ちょっとドキドキですよね。そもそも配信限定の”デジタルシングル”というものが初めてなので、反響が楽しみです。

――おそらく0時を回った瞬間にリリースになるので、反響もすぐ届きそうですね。

いやー、緊張する! カウントダウンとかしたいなぁ……でもどうなるんだろう? 私、CD屋さんに買いに行ったりするのもわくわく感があって楽しいと思うんですけど、今回は配信が始まった瞬間からみなさんに聴いていただけるわけなので、すごくスピーディで楽しいなと思って。なんだか一緒にジェットコースターに乗っているような感じがします。……あ、曲自体はそんなに怖いものじゃないんですけど(笑)。

――その「close to you」、制作はいつ頃から始まったんですか?

実は、5月に前のシングル「Returner Butterfly」を出してリリースイベントなどが一段落したぐらいで「さ、次どうする?」っていう話をしていたんです。それで夏ぐらいから構想を練り始めて、8月ぐらいにはいろんな曲を集めて「これにしよう!」っていう感じで、水面下でひっそりと進めていたんですよ。……”水面下”ってなんかかっこいいな(笑)。

――楽曲自体へは、どんなオーダーを?

デビューミニアルバムの『Flora』が、すごくかっこよくてクールなお姉さん像の作品だったので、デジタルシングルっていう新しい”はじめて”でももう1回かっこよくてクールな感じにするのはどうですか? みたいな話はしていました。あと、”デジタルシングル”っていう言葉がかっこいいなって思っちゃって(笑)。この曲を選んだ決め手も、「せっかくデジタルシングルだし」というのもあって、今までにないシャカシャカ感のあるEDM寄りなところだったんですよ。それに、ちょっと余裕感もあって、ダンサブルな雰囲気がするのもいいですよね。

――その結果、前作ともまた違う種類のかっこよさのある曲が生まれましたし、シンセも強めなので『Flora』の「Flaming Rose」を少し連想する部分もあって。

あー、そうですね! それに、女性像的にもちょっと近いかも。「Flaming Rose」の女性と「close to you」の女性は、たぶん仲良しですよ(笑)。バーでふたりで語らってそう……濃いなぁー! そこで「あの男の人、どうなった?」みたいな話していてほしい!

――もちろん、繋がりのある曲として生まれたわけではないけれども、ちょっと通ずるものがある。

そうですね。それに、なんだかすごく都会的な楽曲でもあるんですよ。歌詞に英語をたくさん入れていただいたりしていますし、3点リーダが語尾じゃなくて文中にあるっていうところも「おぉー! 都会的ぃ!」と思って(笑)。すごく新鮮でしたね。

――言い切れずに、ぐっととどめてしまっている感じもありますね。

でも別に、「内気だから言いたいけど言えない」みたいな感じではなくて……最近聞いたんですけど、「何を言うかが知性で、何を言わないかが品性だ」っていう言葉があって……スピードワゴンの小沢(一敬)さんがおっしゃっていたんですけど(笑)。そういう品性というか大人の感じ? みなまで言わない感じに、すごくかっこよさを感じたんですよ。それに、歌詞的には「もう二度と届かない」みたいな言葉が含まれてはいるんですけど、それをきっとこの曲の女性は「はー悲しい。そんな私、かわいそう」とは思っていなくて。「ま、そんなもんよね」みたいにすべてを織り込み済みで、それすらを楽しんでいる女性のように感じました。

■まずは音源で聴覚から、来月のライブで視覚から楽しんでもらいたい

――そんな女性像を歌として表現するときには、どんなことを心がけましたか?

「強すぎず、悲しすぎず」ですかね? でも、かといって明るくするのも違うので、その微妙なラインというか……「かっこいい曲ではあるけど、強いかっこよさじゃない」というのを意識して、ちょっと颯爽とするような感じを出せるように歌っていきました。

――しかもその塩梅も、曲の場面ごとに徐々に移り変わっていきますよね。

そうですね。私もこの曲からは、A・Bメロにサビとそれぞれカラーの違いというか、顔が違うのをすごく感じるんですよ。たとえば、Bメロはすごくセクシーだなって感じるとか。でも、それでいてまったくぶつ切りになっちゃいけないというか、ちゃんと連続性を持たせなきゃいけないというのは気をつけたところですし、それがどうやったら伝わるかを考えるのはすごく楽しかったです。しかもこの女性は、その表情の違いもたぶん”変わっちゃっている”んじゃなくて”変えている”んだろうな、というか。「そういう面も私、見せちゃうわよ」みたいな感じなんだと思うんですよ。

――完全に、計算で見せているという。

どちらかというとそういうタイプじゃないかな? って思って……そう考えたら、すごくやり手ですよね(笑)。歌詞自体の内容としてははっきり「これはこう」と主張している内容ではないんですけど、この女性像はすごく明確に感じる曲なんですよ。

――ちなみにこの曲、レコーディングには作家さんはいらっしゃったんでしょうか?

作曲の中土(智博)さんがいらして、ディレクションとかもしていただきました。私、最初大人っぽさとかかっこよさを強くイメージしていたんですけど、曲自体にはすごく軽やかさもあるじゃないですか? だから、ただ単に「大人っぽいから、なめらかに歌う」っていうわけじゃなくて、「”軽やかな大人の歌い方”ができたらいいな」みたいに言っていただきながら、作っていきました。

――それもまた、”颯爽と”というイメージに繋がりますね。

そうなんですよ! なのでぜひ、それも意識しながら聴いていただきたいです。

――また、先ほど「ダンサブルな雰囲気」というお話もありましたが、この曲が11月のライブでどんな形で見られるのかも楽しみです。

スタイリッシュなダンスのある曲って、私の曲では最近あんまりなかったなと思うんですよ。なので、これは久々に肩温めといたほうがいいんじゃないかな? と思っていて。

――ブルペン入りますか?

そうですね、一応肩作っときましょうか(笑)。おそらく踊るんじゃないかな……? とは思います。今回は配信シングルということで、ジャケットのアートワークがイラストになるじゃないですか? なのでまずはシンプルに「曲を届ける」という形になるので、まずは聴覚だけで曲を楽しんでもらったうえで、ライブではそこにダンスを加えて視覚でも楽しんでいただければな……って、思っています。最初の入り口が音だけになるぶん、緊張感はハンパないですけどね(笑)。