映画『空の青さを知る人よ』(10月11日公開)が「シッチェス・カタロニア国際映画祭」のアニマット部門(アニメーション部門)とオフィシャルファンタスティック・コンペティション部門の2部門に選出され、吉沢亮、吉岡里帆、長井龍雪監督が現地時間9日に舞台挨拶を行った。

  • 左から長井龍雪監督、吉沢亮、吉岡里帆

同作は、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』を世に送り出したアニメーションチーム・超平和バスターズ(長井龍雪・岡田麿里・田中将賀)の最新作。高校2年生になる相生あおい(声:若山詩音)は姉のあかね(声:吉岡里帆)とともに暮らしていたが、ある日姉の元カレである金室慎之介(声:吉沢亮)の高校生時代=しんのが13年前から現れ、恋をしてしまう。そんな中、31歳の慎之介とあかねは久しぶりの再会を果たそうとしていた。

シッチェス・カタロニア国際映画祭は、スペイン・バルセロナ近郊の海辺のシッチェスで毎年10月に開催される映画祭で、SF、ホラー、サスペンスなどのジャンル映画を特化して扱う「世界三大ファンタスティック映画祭」の1つであるとともに、国際映画製作者連盟(FIAPF)公認の国際映画祭。現地時間9日にメイン会場入りをした3人は、大勢のファンが待ち受ける中でレッドカーペットを歩く。『心が叫びたがってるんだ。』のフライヤーを持ってくる熱烈なファンも駆け付け、サインを求める声に3人も笑顔で応えた。

公式上映は期間中2回実施され、9日14時30分から上映を行う映画祭メイン会場「オーディトリ メリア シッチェス」は、およそ800名の観客で埋め尽くされた。3人が開場の後方扉中央より登場すると大歓声が沸きあがる。吉沢は冒頭に「ブエナスタルデス。(こんにちは。)ソイ 亮 吉沢。(私の名前は吉沢亮です)」とスペイン語で挨拶し、大きな歓声が起きました。さらに「スペインは今回初めて来たのですが、昨日、シッチェスの海沿いの素敵なレストランで海を見ながらご飯を食べるという、素敵な時間を過ごさせていただきました。最後まで映画楽しんで頂けると嬉しいです」と「スペインでの思い出」を語る。

舞台挨拶終了後、上映が始まると、タイトルが出てくるシーンで拍手が沸き起こるほどの盛り上がりに。あかねと慎之介が再会し、慎之介が挿入主題歌である「空の青さを知る人よ」を歌うシーンでは、吉沢が披露したモノマネ風のアレンジに会場では笑い声が起きるほか、クライマックスでは鼻をすする人も。上映後、作品を観た20代の男女カップルは「映画は素敵でした。長井監督の作品はいくつか知っていますが、この作品はとても素晴らしいです。長井監督の作品の魅力は作品が与えてくれる力です。生き生きとしたストーリーの流れの中で何度も刺激されて、最後には感動で泣かされてしまいます。それは『あの花』『ここさけ』でも同じでした。映画の中で感動させられ続け、最後にそれが極みに達して泣いてしまいます。それが好きです。今年のシッチェス映画祭で見た中で、最高の作品です!」と熱い思いを語った。

上映会と舞台挨拶を全て終えた吉沢は「会場のアットホームな感じがとても良かったです。日本の文化(新渡戸の演歌など)もわかったうえで反応してくださっているのがわかってすごく嬉しかったです」と述べるほか、吉岡は、「見ている最中に拍手が起こるのが、日本ではあまりないですし、嬉しくありがたかったです。また、シッチェスで多くの方と楽しく観ることが出来、すごくいい映画だなと改めて思いました」と話し、長井監督は「日本の細かい小ネタなど入っているので、(上映前は)伝わるのか不安でしたが、会場で沢山笑ってくださっているのを見て驚くとともに、今は無事に上映が終わりホッとしています」と喜んだ。

さらに、上映の大熱狂を見たスペインの配給会社からすぐにオファーがあり、スペイン語圏を含む、合計94の国と地域での同作の配給が決定。映画祭の授賞式は現地時間12日の夜に行われる予定だという。

吉沢亮 レッドカーペット後コメント

現地の人が盛り上がってくれているというのがやっぱり凄く嬉しいですね。この作品は、日本の風景とか沢山出てきて、日本を象徴する作品だなと思っているのですが、そういうのを含め、ファンの方が熱狂的に反応してくれている感じが、嬉しいなと思います。『空青』は観客の皆さんに、喜んでもらえるのではないかと思っています。 作品を観られるみなさんの反応が楽しみです。

吉岡里帆 レッドカーペット後コメント

レッドカーペットを現地の皆さんが盛り上げてくださるので、めちゃくちゃ嬉しいです。『空青』も早く観ていただきたいなって思っています。いよいよ始まるワールドプレミアでは皆さんの傍で一緒に作品を感じながら観られるようなので、皆さんがどんな反応をされるのか、とても楽しみです。

長井龍雪監督 レッドカーペット後コメント

お客さんの雰囲気が盛り上がっていて、とても嬉しいですね。日本のアニメなのに、海外の方にこんなに喜んでもらえて本当に嬉しいです。ワールドプレミアがこれから始まりますが、緊張してよくわかんないですね(笑)。みなさんに楽しんで頂けたら嬉しいです。

吉沢亮 舞台挨拶時コメント

ブエナスタルデス。(こんにちは。) ソイ 亮 吉沢。(私の名前は吉沢亮です) HER BLUE SKY(『空の青さを知る人よ』の英題)で慎之介の声を演じさせていただきました。スペインは今回初めて来たのですが、昨日、シッチェスの海沿いの素敵なレストランで海を見ながらご飯を食べるという、素敵な時間を過ごさせていただきました。最後まで映画楽しんで頂けると嬉しいです。グラシアス!

吉岡里帆 舞台挨拶時コメント

ブエナスタルデス。(こんにちは) ソイ 里帆 吉岡。(私の名前は吉岡里帆です)。私は、このHER BLUE SKYであかねというお姉さんの役を演じさせていただきました。ここ、シッチェスは海外の映画祭で初めて訪れた街です。私にとって、とても特別な街になりました。私も昨日、素敵な晩御飯をたべました。ハモン エスタバ ムイリコ(生ハムとても美味しかったです)『空青』楽しんでください。

長井龍雪監督 舞台挨拶時コメント

オラ!(こんにちは) シッチェスのみなさんこんにちは。HER BLUE SKY監督の長井龍雪です。この作品は日本の地方都市を舞台にしており、1人の不思議な青年を通して、2人の姉妹やそれをとりまく人々が、様々な思を紡いでいく作品です。ぜひ、楽しんで頂ければと思います。