石井裕也監督の最新映画『町田くんの世界』(6月7日公開)の出演者が22日、明らかになった。

  • 1段目左から細田佳央太、猪原奈々。2段目左から岩田剛典、高畑充希、前田敦子、大賀。3段目左から池松壮亮、戸田恵梨香、佐藤浩市、松嶋菜々子、北村有起哉。

同作は、『川の底からこんにちは』で第53回ブルーリボン賞監督賞を史上最年少で受賞した石井裕也監督の最新作で、安藤ゆきによる同名コミックを実写化。運動も勉強も苦手で、見た目も普通な町田くんだが、困った人の事は絶対に見過ごさず、接した人みんなの世界を変えてしまう不思議な力があった。そんな町田くんに訪れた突然の出来事により、優しさに溢れていた“町田くんの世界”がひっくり返る。

主役の"町田くん"こと町田一役には、1,000人を越えるオーディションから演技経験ほぼゼロの新人、細田佳央太が抜擢された。さらに、ヒロインの猪原奈々に、こちらも新人の関水渚が決定。細田が町田一役を、関水が猪原奈々役を演じます。新人抜擢には「思いもよらない間やリズム、反応といった偶発的な面白さがある」と語る石井監督は、細田について「一人だけ異彩を放っていて、理屈でも経験でもない、作品に人生を捧げられる人だと感じました。この人と組めば間違いないと16歳に思わせられました」とコメント。一方、関水については、北島直明プロデューサーが「演技経験もテクニックも何もないはずなのに、不思議な魅力というか華やかさというか、とてつもない伸びしろを感じ、彼女に賭けてみようと思いました」と選考理由を明かした。

さらに、新人の2人を囲むキャスト陣には豪華俳優が集結。町田くんの同級生として、岩田剛典(氷室雄役)、高畑充希(高嶋さくら役)、前田敦子(栄りら役)、太賀(西野亮太役)と意外なメンバーが揃った。さらに町田くんの世界に関わるキャラクターとして池松壮亮(吉高洋平役)、戸田恵梨香(吉高葵役)、佐藤浩市(日野役)、町田くんの両親として北村有起哉(町田あゆた)、松嶋菜々子(町田百香役)ら、若手からベテランまでの全員主役級の実力派超豪華キャストとなった。

石井監督は今回のキャスティングに関して「新人2人がどうすれば輝きを放つこが出来るのか考えた結果、実力派俳優陣を起用することでした」と意図を明かす。2018年7月1日にクランクインし、約1カ月半に渡って行われた撮影についても「最高のキャストたちそれぞれの相乗効果で、その熱が撮影現場にもどんどん伝わっていく様子を感じました。他の現場ではなかなか見られないくらいの面白さがありました」と振り返った。

細田佳央太 コメント

(出演が決まったときは)一番最初に嬉しいっていう気持ちがあって、でもその中でもすぐ、やっていけるのかなっていう心配や不安だったり、緊張もありました。ほんといろんな感情が混ざった状態で、でもその中でもやっぱり嬉しさとか、撮影これから楽しみだなっていうのが自分の中で強かったです。ほんとにあっという間の1か月間でしたけど、自分の中で楽しいことの連続で、体力的にきつくても、芝居が楽しいっていう気持ちがあったので、ほんとにこの映画に出演できて、この作品のチームの一員になれてすごい幸せだなと思いました。

関水渚 コメント

出演が決まった実感が湧かなかったんですけど、その後からだんだんこんなに自分が大きい役をやらせて頂くんだって考えると、もうずっと緊張していて。もちろんすごく嬉しかったんですけど、同じくらい大丈夫かなっていう不安がすごく大きかったですね。この役をやらせて頂けたことに本当に感謝しています。今まで生きてきた中で一番悩み、一番苦しみました。でもそういうことがあったからこそ今までで一番充実していて楽しく幸せでした。

岩田剛典 コメント

前回、短編映画『ファンキー』でご一緒させて頂いてまして、次はがっつり長編でやろうっていう風にお話をしてくださっていたので、監督から直接のオファーでしたのですごく嬉しい気持ちでしたね。まあでも作品のプロットを読ませて頂いた時に、え、石井さんが少女漫画原作やるの> みたいな驚きが一番最初に来て、いやどうなるんだろうというか、石井さんテイストのその作風っていうものがあんまりこう漫画の世界感とマッチする印象がなかったので、第一印象、どうなるんだろうっていうところで衣装合わせとか撮影に入っていきました。現場に入っても、今、こうして現場が終わっても、どういう仕上がりになるのかさっぱり想像がつかないので、初号が楽しみです。

石井裕也監督 コメント

人を好きになる気持ち、愛とかそういうものは、普通であれば恥ずかしくて口に出すのもはばかられますが、やはりどう考えても人間にとって必要なこと。それが今、本当にやるべき題材だと感じ、それをまったくてらいもなく、恥ずかしげもなくやってる“少女漫画原作の力”に僕も乗っかりたいと思いました。この作品では、本当に例外的なことをやりまくっています。まさか自分が少女漫画原作をやるとは思っていなかったので、逆に振り切れたというか、冒険的になれたし、映画的な自由を得られたんだと思います。