クレジットカードと違って、銀行口座残高以上に使いすぎる心配がないデビットカード。あらゆる銀行が発行していて、たくさんのメディアで使い方や選び方が紹介されています。今回は、これからデビットカードを作ろうという人にはもちろん、すでに持っている人にも絶対知っておいてもらいたい「選び方のシンプルな3ポイント」を紹介します。

やはり年会費無料・高還元率が1番のポイント!

2018年現在でデビットカードの主流となっているのは、「VISA」や「JCB」などのクレジットカードブランドがついている「ブランドデビット」です。VISAが付いていればVISAデビット、JCBが付いていればJCBデビットと呼ばれていて、銀行が発行者となっています。銀行が発行者ということはその銀行の口座を持たなければなりませんので、ブランドデビット選びはメインバンク選びの一つの要素として考える必要があります。

そんなブランドデビットを選ぶときは、以下の3つのポイントを意識してみましょう。当然のことですが、少しでもお得になるように、年会費無料、キャッシュバックやポイントの還元率ができるだけ高いものを選ぶのが1番のポイントです。

ポイント1:年会費は無料が絶対条件
銀行によって年会費は無料の場合もあれば1,000円程度の費用がかかる場合もあります。手数料を払ってまで「使いすぎを防ぐ」のは得策ではありません。旅行保険やショッピング保険が付くから手数料を払ってもいいかなと思うかもしれませんが、年会費無料の場合でも保険が付くブランドデビットもありますし、クレジットカードのほうが保険が充実している場合が多いです。したがって、年会費が無料になるブランドデビットを選択しましょう。

ポイント2:還元率は高いに越したことがなく、基準は0.5%で1.0%なら◎
お得にブランドデビットを使うためには、還元率が高いことが絶対条件です。後で紹介する比較表を見るとイメージが付きますが、還元率0.5%を確保しておきたいところです。また、できればポイント還元ではなく利用額に対してキャッシュバックしてもらえるブランドデビットにしましょう。ポイントが貯まる場合だと1円単位で商品交換できなかったり、ポイントが使える店が限られていたり、そもそも欲しい商品がなかったりします。やはり口座に現金で還元してもらうのがシンプルで分かりやすいですね。

ポイント3:付帯保険は利用可能性が低いのでおまけ程度と考える
ブランドデビットには大きく分けて、(1)購入した商品が破損したときに補償してくれるショッピング保険、(2)旅行中のケガや病気に関して補償してくれる旅行保険、(3)カードを不正使用されたときにその額を補償してくれる不正利用保険があります。これらの保険は万が一のときに補償してもらえる頼れる保険ですが、利用可能性が低いので、充実しているからという理由でそのブランドデビットを選択する必要はありません。

主要銀行が発行するブランドデビットを比較

選び方のポイントを整理したら、実際に各銀行が発行するブランドデビットを比較してみましょう。メガバンク3行とネット銀行5行のブランドデビット比較ポイントを以下の表に整理しました。

まずはメガバンク3行を比較してみましょう。三井住友は年会費が無料で、還元率が高いです。三井住友カードのワールドポイントに交換できるポイント還元だと、0.5%の還元率は悪くありません。三菱UFJとみずほは年会費が1,080円かかりますが、三菱UFJは23歳以下または利用金額が年間10万円以上、みずほは23歳以下または年1回以上の利用で年会費が無料になります。いずれの銀行もショッピング保険と不正利用保険が付いており、三菱UFJのJCBデビットとみずほのJCBデビットには旅行傷害保険が付いています。

三菱UFJのポイント還元率は0.2~0.4%と幅があります。VISAデビットでは下図のように条件が適用されるごとに還元率が上がっていく仕組みですので、基本0.2%還元。JCBデビットでは1,000円ごとにJCBのOkiDokiポイント1ポイント(3円相当)が還元されるので、約0.3%還元であると理解しておきましょう。

  • 三菱UFJのVISAデビットの還元率。例えば、1年間の利用額が30万円以上であれば還元率が0.2%+0.05%+0.05%=0.3%となります。最大0.4%の還元率にするには、入会後3か月の間に使うか、前年1年間の利用額が30万円以上で誕生月に使用する必要があります。ちなみに、入会後3か月間の中に誕生月があれば還元率0.5%にすることもできますが、長く使うことを考えるとあまり意味がありません (引用元:三菱UFJ-VISAデビット)

次にネット銀行5行を比較してみましょう。

ジャパンネット以外は還元率が高めなので、少しでもお得に使いたい場合はメガバンクよりもネット銀行のほうを選ぶとよいでしょう。ソニー銀行の場合は、還元率が0.5~2.0%と幅がありますが、下図のように投資信託や外貨預金の積み立て、残高によって条件が変わります。楽天はJCBデビットだと還元率が1%となりますが、現金ではなく楽天ポイントが付与されるので、楽天市場をよく使う人でなければお得とは言えません。ちなみに、住信SBIネットとソニー銀行はキャッシュカード一体型なので、1枚のカードでATMからの現金引き出しとVISAデビット決済の両方が利用できます。

  • ソニー銀行のClub Sという優遇制度では、図のようにシルバー(還元率1.0%)、ゴールド(還元率1.5%)、プラチナ(還元率2.0%)のランクがあります。月末の残高が300万円以上になるか、外貨預金か投資信託を毎月1万円以上積み立てればシルバーになりますので、比較的還元率1.0%を目指しやすいと言えます (引用元:ソニー銀行 優遇プログラム Club S)

ブランドデビットの選び方と主要銀行のブランドデビットの特徴がつかめましたか。もし旅行保険を付けたいと思うならメガバンクのJCBデビットがおすすめですが、1番のポイントとして挙げた「年会費無料・高還元率」で選択するなら、住信SBIネットまたはソニー銀行がおすすめです。