ソフトバンクが上場を目指す表向きの理由は投資ニーズへの対応だが、根底には別の狙いがある。それはソフトバンクグループの孫正義代表が描く「群戦略」を実現するためでもあるのだ。

  • 300年成長を続けるための「群戦略」とは

群戦略とは何か

群戦略とは何か。2月7日に開催された決算説明会で孫氏が多くの時間を割いたのが群戦略に関する説明だった。

群戦略は、300年成長を続ける企業グループを生み出すために、孫氏が考え至った結論だ。IT企業には30年で成長の限界を迎える30年限界説がある。当初は輝いていたビジネスモデルやテクノロジーが古くなり、色褪せていくケースが多いとされる。一極集中型のビジネスではこれらの要因により、世紀をこえて発展していくのが難しいわけだ。

それを避けるために考案したのが群戦略というわけである。群戦略は多数の戦略的提携グループをグローバルに作り上げていくことだという。

  • 群戦略のイメージ

同様の企業グループとして、財閥の存在があるが、財閥の実態を見る限り、個々の企業はナンバーワンの存在ではなく、連合体としてみた場合にも強固な状態には見えないと孫氏は指摘する。

  • 財閥と群戦略の違い

群戦略がこの財閥と隔てるのがナンバーワンという考えだ。群戦略は各業界におけるナンバーワンの存在の連合体を作り上げようというものだ。この中核をなすのがソフトバンク・ビジョン・ファンドの存在だ。