左から平松岳史氏、河森正治監督、松倉友二氏、緑川光、上町祐介プロデューサー。

一般からアニメの原作を広く募集するプロジェクト・Project ANIMAの始動が発表された。

Project ANIMAにはDeNA、創通、文化放送が参画。原作の募集は現時点で第3弾までを予定しており、選考はプロジェクトチーム3社と映像化を手がける制作会社とが合同で行う。選出された作品がテレビアニメ化されるほか、入賞作の書籍化、マンガ化、ゲーム化なども検討される。

第1弾は「SF・ロボットアニメ部門」として、2018年2月1日から4月15日の間にSF・ロボット(メカ)を題材にした作品を募集。応募は小説、脚本、マンガ、企画書、イラスト、動画の6種類の方法で受け付け、映像化はサテライトが手がける。なお第2弾として2018年4月より募集を行う異世界・ファンタジーを題材にした作品はJ.C. STAFF、2018年夏より募集を行う第3弾は動画工房が映像化を担当。第3弾のテーマは追って発表される。このほか横槍メンゴが描いたプロジェクトのメインビジュアルも公開された。

このほかProject ANIMAの一環としてラジオ番組「エブリスタ・マンガボックス presents 豊永・小松・三上の真夜中のラジオ文芸部」が、1月4日に文化放送でスタートすることも決定。同番組では豊永利行、小松未可子、三上枝織がパーソナリティを務め、リスナーとともに全員が作家デビューすることを目指す。

本日12月20日にはProject ANIMAの発表会が行われ、DeNAのIPプラットフォーム事業部長・安江亮太氏、創通の企画営業本部長・難波秀行氏、文化放送の取締役メディア開発本部長メディア開発局長・片寄好之氏が登壇。安江氏は現在のアニメを取り巻く環境について「現在各クール50本程度のアニメが放送されています。そして日本だけではなく海外からのアニメ作品の需要も高まり、原作が非常に求められている状況です」とコメントしながら、「その中でProject ANIMAの目指すものは2つあります。まず次世代を担うクリエイターたちとともに、2020年代のアニメファンに捧げるオリジナル作品を創出したいと思っております。次に若手クリエイターを発掘し、ともに創造する場を提供していくことでアニメ業界の発展に貢献していきたいと考えています」とプロジェクトの方向性について説明した。

その後サテライト専務取締役の河森正治監督、J.C. STAFFの執行役員制作本部長でチーフプロデューサーの松倉友二氏、動画工房のデジタル作画チーフ・平松岳史氏、DeNAの上町祐介プロデューサー、そしてゲストとして登場した緑川光によるパネルディスカッションを実施。河森監督は自身が手がけた「マクロス」シリーズを例に挙げ、「『ガンダム』は大好きだったんですけど、とにかく『ガンダム』じゃないものを作ろうというところから始めて。『ガンダム』ファンから1番嫌われそうなものはアイドルだろうというところから『マクロス』はスタートしたんです」とエピソードを例に挙げながら、「今の時代ってすごくメディアとの距離が近いから、プロになりやすいけど生き残るのが大変な時代に見えるんです。なので出てくるからには生き残る力を持って出てきてほしい。ものすごく好きなもので(話を)1本書けて、ものすごい嫌いなものでも1本書けるといいですね」と応募者へのエールを送る。また緑川も「アマチュアからプロになる」ということに対し、「(インターネットで自分の声を)配信できるから、『○○さんに声が似てますね』って言われると、うれしくなってカッコいいお芝居ばかり練習しちゃう子がいるんです。そうするとカッコいいお芝居しか出来ないから『(声優になるのに)遠回りしちゃうよ』って思っちゃいますね」と語った。