『フランケンシュタインの恋』キャラクター・衣装デザインの澤田石和寛氏

今クールの連ドラでは、小栗旬主演の『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(カンテレ・フジ系)の衣装デザインも手がけている澤田石氏。「僕の衣装やキャラクターのデザインってだいたいそんなもので、突拍子もない、ということはないんです。スタイルとしては、"ファンタジーの入り口"になるものなので」と、自らの作風を語る。

そんな中で、今回の衣装には、綾野のアイデアも入っている部分もあるという。例えば、袖口に付いている動物の毛。森の中で暮らしてきたという状況で、芝居の流れから出てきた「動物の毛を付けたい」というアイデアに、澤田石氏は「最初は(衣装の中に)入らないだろうなぁと思ってたんです」と難色気味だったそうだ。

それでも、綾野の意図を汲み取り、「リスが死んでしまって、置いといて布団をかけたら腐ってしまったが、毛皮は残った。それを大事に洗って袖口に付けてみようか…」と、ストーリーを組み立て、実現に至った。澤田石氏は「一番大事なことは、役者が演じる役を自分に入れていくという中で出てくるアイデアと、デザイナーの解釈の理解が通じていれば、どんなデザインになってもうまくいくはずだと思っているんです」と、仕事を手がける上でのポリシーを語ってくれた。

綾野とは、映画『クローズZEROII』(2009年)からの付き合い。これまで、さまざまな役柄を見てきているが、綾野の魅力について「"独特の気味悪さ"というか、存在の不思議さがあるんじゃないかなと思いますね」と、長く仕事をしてきた関係性ならではの表現で語る。今作で挑む怪物役に"気味悪さ"は武器となりそうだが、「普通にスーツを着てその場にいたら使えるんだろうけど、もともと気味悪く感じさせなければいけないものとなると、違う方向性だから難しいと思いますね。それをどう演じていくのか」と楽しみにしている様子だ。

なお、今作の怪物は「心が爆発するとさらなる変体をし、その姿で人に触れると命を奪ってしまう」という設定。つまり、ここからもう一段階変身することになっており、河野英裕プロデューサーは「オンエアを楽しみにしていてください!」と呼びかけている。

『フランケンシュタインの恋』(23日スタート、日本テレビ系毎週日曜22:30~23:25 ※初回22:00~)
名作『フランケンシュタイン』の舞台を現代の日本に置き換えた、大森寿美男脚本のオリジナル・ラブストーリー。綾野剛(写真左)が、100年前のある事件をきっかけに生み出されたという怪物役で、二階堂ふみ(写真右)演じるヒロインに恋をしていく。
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