第三の刺客としてのMessenger

そうしたなかで、Messengerは、Snapchatに対する第三の刺客と言える。

Messengerにも、24時間コンテンツが表示される「My Day」機能を導入した。これはSnapchatやInstagramのストーリーと同様の機能であり、My Dayへの反応は、Messengerのチャットとして返信され、コミュニケーションのきっかけ作りを演出しているのだ。

別の見方を考えれば、Messengerが、現在のモバイルコミュニケーションのトレンドを取り入れた、と見ることもできる。

My Dayは、各ユーザーが自分の体験をシェアする最も手軽な手段を提供している。こうした日常をタイムリーに共有するトレンドがSnapchatによって定着したとみるならば、そうしたカルチャーをメッセージアプリにも取り入れ、用事がなくてもコミュニケーションが発生する仕掛けとして活用しようというアイデアだ。

結果として、Messengerアプリへのエンゲージメントの向上を図ることができる。

ビジネスツールとしてのMessenger

フェイスブックは、Messengerを、単なるコミュニケーションツールとして終わらせるつもりはない。2016年のF8では、Messenger Platformを発表し、ボットの開発やショッピング、送金といったサービスを、メッセンジャーアプリ内で行うことを可能にした。つまり、ビジネスと顧客が直接つながるインターフェイスとして、メッセージアプリを変貌させたのだ。

既にビジネス活用は進んでおり、「顧客への関心を高める」「顧客獲得」「顧客サービス提供」「ショッピングや決済」「金融サービス」といった分野を紹介した。すでに10万ものボットが作成されており、個人と企業の間で交わされたメッセージは自動返信も含み20億通になった。

様々な分野でのビジネス活用が進んでいる