米Mozillaは1月24日(現地時間)、Webブラウザ「Firefox」安定版のバージョン51.0をリリースした。FLAC (Free Lossless Audio Codec)とWebGL 2のサポートが追加されており、よりリッチなWeb体験を可能にする。

FLACはロスレスのオーディオ圧縮コーデックである。WebGL 2は、Webで3Dグラフィックスをレンダリングするための標準API、WebGLの最新版だ。OpenGL ES 3.0仕様がベースになっており、OpenGL ES 2に基づいたWebGL 1に比べて表現力が広がり、グラフィックスパフォーマンスが向上する。Mozillaが「After the Flood」というWebGL 2デモを用意しており、Firefox 51で開くと、ガラスやメタルの建造物の質感、水面や木の葉の動きを通じてWebGL 2の表現力を確認できる。

URLバーのユーザーインターフェイスに2つの変更が加えられた。1つは接続の安全性に関する表示。これまではHTTPS接続時にグリーン色の鍵アイコンで安全な接続を伝え、その他の接続では鍵アイコンを表示しなかったが、Firefox 51からそれらに加えてセキュリティリスクのあるページでロックに赤い斜線を引いたアイコンを表示する。

リスクのある接続に、鍵に斜線を引いたアイコンを表示

もう1つは拡大/縮小ボタン。表示を拡大または縮小すると、URLバーの右端に拡大/縮小を%表示したボタンが現れる。拡大/縮小をひと目で確認でき、ボタンをクリックするだけで実際の表示サイズに戻せる。

パスワードを保存する機能が改善され、"subumit"イベントを備えないフォームでもFirefoxがパスワード保存に対応する。また、保存する前にユーザーがパスワードを確認できるようになった。

これらの他、タブの切り替え、データ同期の信頼性、GPUアクセラレーションを用いていない環境でのレンダリング性能などが向上している。また、昨年から進められてきたマルチプロセスのロールアウトが、Windowsタッチスクリーン・デバイスを含むさらに多くのデバイスに拡大する。マルチプロセスは効率的でレスポンスのよい動作を実現するもので、現段階ではユーザーインターフェイスとページコンテンツの2つのプロセス実行になっており、すでに過半数のユーザーに利用が広がっている。