モリンダ ワールドワイド インクはこのほど、AGEがシミやそばかすの原因となるメラニン産生を有意に促進させることを確認し、その研究結果をOnline Journal『Glycative Stress Research』(2016年12月31日発行)で発表した。

メラニン産生量の比較

同調査は、同志社大学生命医科学部・アンチエイジングリサーチセンターの米井嘉一教授と共同で行ったもの。

紫外線(UV)誘発による、メラニン産生のメカニズムはよく知られている。同社では、糖化反応およびAGE(終末糖化産物/Advanced Glycation End products)の蓄積も、メラニン産生を促進し、肌にシミをつくる原因のひとつであることを発見。「AGEじみ」と名付け、その阻害剤と検討方法についての特許を2016年に日本で出願している。

今回は、さらにAGE化したコラーゲン(以下、AGE-コラーゲン)の構成成分のうち、具体的に何がメラニン産生を引き起こす活性成分となるか検証を行った。

研究では、メラニン細胞にAGE-コラーゲン(コラーゲン-グルコースもしくはコラーゲン-フルクトース)を添加。有意なメラニン産生の増加が認められたことから、さらにAGE-コラーゲンの活性成分について検討した。

AGEであるカルボキシメチルリジン(CML)、カルボキシエチルリジン(CEL)、ペントシジンとそれらの反応中間体であるメチルグリオキサール(MGO)、グリオキサール(GO)、3-デオキシグルコソン(3DG)のメラニン産生量を比較したところ、反応中間体であるMGOが最も強い活性を示すことが確認できたという。

一方、コラーゲン-グルコースの方が、コラーゲン-フルクトースよりもメラニン産生能が高かったが、後者のほうが多くのMGOを含むことがわかった。AGE-コラーゲンの活性とMGOの含有量に相違があることから、糖化反応によってAGEコラーゲンができる過程で、さまざまな要因により、メラニン産生が促進されることが示唆されたという。

この結果により、体内における糖化反応がメラニン産生に影響し、シミやそばかす(AGEじみ)になりえることが示唆された。同社では、健康で明るい皮膚のメンテナンスには、AGEの管理がUVケアと同じくらい重要である可能性がある、としている。