「あい」ならではの特徴は?

ユーザーが投稿した実際のQ&Aから機械学習したAIが回答を作り出すシステムとしては、NTTレゾナントやU-NEXTなどのシステムがすでにあるが、「あい」ではQ&Aデータを概念化して重み付けしてあるため、よりユーザーの意図や気分、言葉が持つ二重・三重の意味などを概念に落とし込んで検索対象とすることができ、ピンポイントな回答を出せるという点が異なっている。

同じ人工知能を使ったシステムでも、学習ソースだけでなく、概念化や重み付けという味付けを用いることで差別化が図れるというわけだ。実際に「あい」に質問してみたが、回答は概ね自然な日本語でしっかり返ってくる。もし該当する回答が見つからない場合はユーザーに追加の質問をすることで、データ解析の精度を高めようとしてくれる。こうしたわかりやすいインターフェースに落とし込めているところも「あい」のユニークな点だと言えるだろう。

パソコンを使っていると疲れ目で目が霞みやすいという質問に対し、ドライアイに関する回答をピンポイントで返してきてくれた(老眼だと指摘しないのは温情か?)。ジャンル違いの質問には見当違いの回答を返して来るので、画面上側できちんとジャンルを合わせておこう(画像:OKWAVE AI Knowledgeより)

ひとつ課題を挙げるとすれば、AIを使ったQ&Aやコミュニケーションでは、ユーザーからの回答が常に正しいというわけではないことだ。OKWAVEに限った話ではないが、法的・科学的に正しくないことであっても、人工知能は正誤まで判断することなく回答してしまう恐れがある。AIの導入に際しては機械が判別できない誤情報や意図的な操作を防ぐための仕組みづくりも重要になってくるだろう。