ビーコンとボットの連携でリアル世界へ進出

もうひとつ面白い試みとしては、Bluetooth接続のビーコンとボットを連携させる仕組みが用意された。ビーコンは電波の届く範囲に近づくと一種のスイッチとして機能し、ビーコンの反応をトリガーにしてさまざまなサービスを起動させるものだ。

LINEではこのビーコンをボットのトリガーとして設定できるようにし、たとえば店舗を訪れてくれたユーザーにはLINE@のアカウントから割引クーポンを提供する、といったマーケティングに利用できるようにしている。ネットだけでなくリアル世界での体験もしっかりサポートしているわけだ。

ビーコンの利用はこれからのリアル店舗での体験の差別化に大きく影響を与えそうな技術トレンドのひとつだが、LINEもしっかりそれを取り入れている

スマートフォンのインタフェースにおいて、複数のアプリを移動するのはベテランユーザーであっても面倒なものだ。その点、LINEの新しいメッセージサービスはLINEから移動せずにほとんどの処理を行えるもので、多くのユーザーをLINE内の動線に確保し続ける。結果としてLINEのその他のサービスへ誘導しやすくなる。LINEの生態系を強化することになるわけだ。逆に言えば、こうしたサービスを外部で提供してきたサードパーティは、LINEボットに対応しなければLINEユーザに使ってもらえなくなってしまう恐れもあるわけだ。

ちなみにフェイスブックにも同様にボットと外部サービスを連携させる仕組みが用意されているが、日本でのユーザー数はLINEのほうが多く、ビーコンを使ったリアル店舗との連携もない。どちらか一方を選ぶとすればLINEを選んだほうが効率的だろう。