ニオイ残りやダニ対策もできるドラム式洗濯乾燥機

ななめドラム洗濯乾燥機は、3つの新コースを搭載した。ひとつが「約40℃においスッキリコース」。その名の通り洗濯物の「匂い残り」を減らすコースだ。通常の洗浄コースと比べて約2倍の洗剤を使用して、「約40℃」のお湯で衣類を洗浄。さらに今度は洗剤なしで、もう一度約40℃のお湯で水洗いをする。40℃という温度を採用したのは、皮脂の汚れを落としやすく、酵素洗剤の酵素パワーが活性化する温度帯だからだという。

ななめドラム洗濯乾燥機「NA-VX9700」

【左】衣類に残る匂いの一番の原因は「菌」。会場には一般的な「おまかせコース」(左)と「約40℃においスッキリコース」(右)の比較も。洗濯後の、匂い原因菌の残留量を比べる。量の差は一目瞭然だ 【右】会場には、なんと40人から集められた「洗っても臭いバスタオル」を用意。タオルを半分に切って「約40℃においスッキリコース」で洗ったところ、部屋干ししても臭くない結果に

皮脂と似た成分で着色した布を、洗剤液につけて汚れ落ちを確認する実験も行われた

写真左から常温水、中央が温風で温めた30度前後のぬるま湯、右が40℃のお湯だ。40℃で加熱した汚れが勢いよく溶けて浮かぶのに対し、ほか2つの汚れは、ゆっくりとしか分離しない

2つめのコースは「ダニバスターコース」。布団や毛布などは、ダニを除去する目的で洗濯することも多い。しかし、ダニが元気な状態だと、勢いよく水をかけても繊維にしがみついて布団に残ってしまう。そこで、ダニバスターコースでは水で毛布などを洗浄の前に、温風乾燥でダニを弱らせる「プレ乾燥」の工程をプログラミングした。ダニは50℃以上の環境だと弱るため、その後水で流すと簡単に繊維から剥がれ落ちるという。

ダニが付着したところに水を流したところ。常温のダニ(写真左)はしがみついて流れなかったが、一度50℃以上に加熱したダニ(写真右)は一瞬で水に流された

最後のコースは、洗濯槽を洗浄する「約30℃槽洗浄コース」。洗濯槽は放置するとカビが生えるため、定期的な洗浄が必要だ。しかし、一般的なドラム式洗濯機は「洗濯槽掃除コース」に長い時間が必要だ。たとえば、パナソニックの2014年モデル、ドラム式洗濯機「NA-VX9500L」は、槽洗浄コースに約10時間42分、2015年モデル「NA-VX9600」でも約5時間42分必要だった。2016年の最新モデルでは、水量やドラムの回転を制御することで、洗浄時間が約3時間に短縮。こまめな洗浄が可能になっている。

会場に展示されていた「洗っていない洗濯槽」。上部にびっしりとカビが張り付いている

会場では、カビの生えた洗濯槽の破片を洗う実験も行われた。常温の洗剤液(左)と30℃の洗剤液(右)に破片を入れ、同じ力でかくはん洗浄する

【動画】洗濯槽を洗浄するイメージ
※音声が流れます、ご注意ください

約1分しか洗浄していないが、30℃の洗剤に入れた破片(右)は、すでに汚れが落ちかけている。一方、常温の破片(左)は、洗浄前とほぼ違いが見られない