野菜がシャキシャキのパーシャル冷蔵庫

パナソニックのパーシャル搭載冷蔵庫の新モデルは、微凍結パーシャル室の冷却スピードがアップした。微凍結パーシャルとは「-3℃」で食品を保存する機能のこと。一般的な冷凍庫の庫内温度は-18℃以下だ。-3℃は食品が固く凍結することはないが、鮮度は冷蔵庫やチルド室よりも長持ちするという温度帯。冷凍室ほどには食材が固くならないので、調理に解凍手順がいらず、完全凍結しないので食品の細胞膜を傷つけず、冷凍保存より美味しく保存できるメリットもある。

【左】パーシャル搭載冷蔵庫「NR-F672WPV」 【右】冷蔵庫スペースの下にあるパーシャル室。少しシャリっとする程度の軽い冷凍状態になるため、解凍せずに調理できる。刺身や肉の保存はもちろん、新モデルではカレーなどの惣菜も、加熱せずに1週間保存可能になった

パーシャル室(左)で1週間保存した牛肉とイワシ、チルド室(右)で1週間保存した牛肉とイワシを比較。チルド室の肉は全体的に色がくすみ、一部が茶色く変色していた。また、チルド室のイワシは全体的に黄色っぽく、脂が酸化しているのが目視できる

もうひとつの進化が、野菜が長持ちする「Wシャキシャキ野菜室」。野菜は野菜庫内でも呼吸をするため、つねに水分を放出している。このため、野菜庫を密閉すると庫内に湿気がこもって結露しやすい。野菜庫の湿度が高すぎると野菜の「水腐れ」を起こし、湿度が低いと野菜が乾燥して傷む。野菜庫は、湿度を90%前後にキープすることが重要となる。

【左】広々とした野菜室。新モデルでは仕切りが透明になり、中の食材が見やすい。底面に金属トレーを配置することで、掃除がしやすくなっている 【右】野菜庫上部の見えない位置には「うるおいシャッター」を搭載。野菜庫を閉めると、庫内が密閉されて湿度が逃げないようになっている

そこでパナソニックは、野菜庫を密閉しつつ、空気の湿度を一定に保つ「モイスチャーコントロールフィルター」を搭載した。従来モデルでは野菜庫下段にしか搭載されていなかったモイスチャーコントロールフィルターだが、新モデルでは上段にもセット。小さな野菜も保存性が高まっている。

庫内の湿度が上がりすぎると、モイスチャーコントロールフィルターで湿気を外に逃がす仕組み。前モデルではモイスチャーコントロールフィルターは野菜庫下段にのみ搭載されていたが、新モデルでは小物野菜を入れる上段にも搭載された

一般的な野菜庫(左)とWシャキシャキ野菜室(右)で1週間保存した野菜を比較。通常の野菜庫で保存したしめじは乾燥して一回り小さくなっており、小松菜はクタッとしなびている