―― 改めて、Dellのワークステーションならではの優位性を教えてください。

パット氏「先ほどの歴史と重なりますが、初のモバイルワークステーション、さらに薄型軽量ワークステーションを出したのもDellです。エントリーレベルのモバイルワークステーションとして、10万円以下の製品も業界に先駆けて投入しています。市場のチャンスを見極めて対応してきたわけです。

より具体的に、15.6型ワークステーションのPrecision 5510をご紹介しましょう。狭額ベゼルの設計で、従来の14型クラスとほぼ同じサイズながら、15.6型の液晶を収めています。内部にはヒートパイプとデュアルファンによるクーリング機構を持っており、高性能のCPUやGPUを静かに効率よく冷やし、ボディが熱くなりません。タッチ液晶やAdobe RGB 100%カラーの製品も、Dellがいち早く投入しました。

ワークステーションのAR/VR対応も『クリエイティブな目』を可能にすると考えています。(AR/VRは)ゲームや映画だけではなく、車体やエンジン製作の支援にも役立つクリエイティブなワークフローを実現します。Dellは最先端の技術をすばやく導入するとともに、5年先を見据えた技術検討をしています。これが優位性といえるでしょう」

ラウール氏「ソフトウェア面でも自信と強みがあり、例えば自動パフォーマンスチューニングソフトウェアの『Dell Precision Optimizer』です。

CPUの稼働コア数やハイパースレッディング、プロセスのプライオリティ、ディスプレイ垂直同期を最適化することで、22のアプリケーションに対して、最大のパフォーマンスが出るように自動調整します。アプリケーションによっては、工場出荷状態と比較して2倍以上のパフォーマンスアップが得られることもあり、おすすめです。

また、独自の技術としては、特許を取得した『Dell Reliable Memory Technology』(RMT)があります。ワークステーションのメモリはエラー訂正を含んでいますが、RMTはHDDの不良セクタ対策と同じように、エラーのあるメモリブロックを自動的に排除して使わないようにします。これによってパフォーマンスを維持し、かつダウンタイムを最小限に抑えるようになっています。

「Dell Precision Optimizer」(画面例)

細かい点ですが、タワー型ワークステーションの本体ケースは、ツールレスで開けられるため、グラフィックスカードを交換することが多い日本のゲーム業界から喜ばれていると聞いています。

ハードウェアに関していえば、業界でサーバーからデスクトップPC、ノートPC、タブレット、周辺機器と、幅広いポートフォリオを持つ数少ないベンダーがDellです。Dellのモニタは世界一売れていますし、ドッキングステーション、マウス、キーボードといったアクセサリも豊富です。そして、Dellのプロサポートは24時間365日体制で、日本でも定評あるものです。全体的なエコシステムが充実している点に、魅力を感じていただけたら嬉しく思います」

―― 今回は色々と興味深いお話をうかがうことができました。ありがとうございました。