ブームから定番へ

家庭用食用油の市場は拡大傾向にある。それを牽引するのはもちろん、オリーブオイルをはじめとする健康志向のオイルだ。花澤氏は「(健康志向のオイルが流行していることについて)ブームで終わらせず、広く定着させたい」というが、これからの課題は入り口を増やすことと、リピーターを増やすことだといえる。

最近はオイルおにぎりが流行しているが、従来のような炒め用だけでなく、ソースやドレッシングとしてオイルを使うのが広く認知されてきた。これはブームが定着するにあたって重要な流れ。J-オイルミルズからも新しく、手軽な使い方を発信することで、ライフスタイルへ組み込めればリピーターが付く。

毎日栄養オイルのメインターゲットは高齢の女性だが、若い女性にも人気が出そうなメニュー。パスタやピザ、前菜、肉料理、魚料理、はてはデザートにまでオイルを使っている

実はJ-オイルミルズ、原料相場や為替など、大きな事業環境の変化に対応しきれず、2014年度から7カ年でスタートした第四期中期経営計画の見直しを発表したばかり。まずは事業基盤を整え、長期的な成長戦略に臨むとしているが、その成長戦略のひとつに「高付加価値化」が掲げられている。いわば、その期待のエースが毎日栄養オイルといえよう。今は種まきの段階で爆発的なヒット商品、とまではいえないが、骨や血管といった多くの人が抱えている不安に寄り添うことで、今後じわりじわりと伸びをみせるかもしれない。その可能性は十分に秘めた製品だと感じる。