宿泊需要が訪日外国人の増加テンポを上回って拡大

昨年の間に日本を訪れた外国人は1974万人。2020年の目標としていた2000万人に届く勢いだ。そのため政府は2020年の目標を4000万人へと引き上げた。

訪日外国人旅行者数の推移。観光庁HPより

注目すべきは、述べ宿泊者数の推移だ。全体的に上がり調子であることはいうまでもないが、2014年に前年比33.8%増だったのが、15年には48.1%増と訪日外国人の宿泊者数の増加が加速している。

「2015年宿泊旅行統計調査」。観光庁HPより

宿泊施設数についてみずほ総合研究所が昨年レポートを出した(※このレポートは前提として、2020年に2500万人まで増加するとの仮定のもと作成されている)レポートによると、訪日外国人の延べ宿泊者数の増加が加速している最も大きな要因は、訪日外国人の増加である。さらには訪問する観光地数が増加していることで、1回の旅行あたりの宿泊数が増えていることも要因として挙げている。

そういった状況は舞浜エリアでも現れており、長田総支配人によると、「9年前は3,4%ほどだった訪日外国人が昨年には全体の20%まで増加している」という。

宿泊施設が足りない

近年の訪日客拡大のけん引役は観光・レジャー目的であり、今後も同様の傾向が続くことが見込まれている。観光・レジャー目的のみの都道府県別訪問率ランキングで千葉はランキングを徐々に上げており、その上昇要因は当然東京ディズニーリゾートであることが考えられる。

みずほ総合研究所「インバウンド観光と宿泊施設不足」都道府県別訪問率ランキングなど

レポートによると延べ宿泊者数は2020年に9111万人、2014年比でおよそ4600万人増加するという試算になる。国内と外国人合わせた総延べ宿泊者数は2020年に5.2億泊となり、総延べ宿泊者数に占める外国人比率は、17.5%まで上昇するとしている。全国には、未稼働客室が年間2億1845万室(2014年時点)あることから余力があるようにみえるが、関東・関西を中心とする11都府県では不足するという。その数およそ4万1000室。レポートでは、この宿泊施設の不足が訪日客拡大の制約要因になる可能性について指摘している。

みずほ総合研究所「インバウンド観光と宿泊施設不足」2020年宿泊者数増加と宿泊施設投資額(試算)など

そんな状況であることから、当然舞浜エリアはホテルを増やす必要がある。立地上、ディズニー客の増加、そして東京で生じる不足分を吸収できることが期待される場所だ。