高速化と低価格化が進むSSD。いまや240GBクラスのメインストリーム向けモデルでは、実売価格10,000円前後の製品が主流となっている。ハイエンド向けは、SATA 6Gbpsでは転送速度が足りず、PCI Expressベースのインタフェースへと移行を開始しているが、古いPCのHDD換装をはじめとして、まだまだSATA 6Gbps対応製品の需要は大きい。

今回レビューするOCZの「Trion 150」は、コンシューマー製品の中でも、メインストリームのユーザーをターゲットとしたモデルだ。2015年7月に登場した「Trion 100」の後継で、最大の特徴であるコストパフォーマンスの高さをそのまま受け継いでいる。

最新の東芝製の15nm TLC NANDフラッシュを採用

OCZは、老舗のSSDメーカーとしてコンシューマー向け製品からエンタープライズ向け製品まで、さまざまなSSDを開発・製造している。2014年1月に東芝に買収されたが、東芝のグループ企業としてSSDビジネスを継続。さらに2016年4月1日には、東芝アメリカと完全統合を発表したが、OCZブランドのSSDは今後も提供される。

さて、「Trion 150」は、前世代モデル「Trion 100」と同じく、SATA 6Gbpsに対応した2.5インチフォームファクターのSSDであり、容量は120GB/240GB/480GB/960GBの4モデルを用意する。

Trion 150の外観。標準的な2.5インチSSDだ

こちらはTrion 150の外観。表側のデザインが少し違う

Trion 150とTrion 100の大きな違いは採用するNANDチップだ。Trion 100は、東芝製の19nm TLC NANDフラッシュだったが、Trion 150では同じく東芝製の15nm TLC NANDフラッシュを採用した。プロセスルールがシュリンクされた、最新世代のNANDフラッシュである。

転送速度を含めたスペックをまとめると以下のようになる。これを見ても分かるとおり、NANDチップ以外のスペックはまったく変わらない。両製品ともに、コントローラーにも東芝製を搭載するほか、カタログスペック上のリード速度やライト速度などは、Trion 100もTrion 150も同じ。メインストリーム向けといっても、性能はかなり高く、SATA 6Gbps対応SSDとしてはほぼ限界に近いパフォーマンスである。

■基本スペック比較
製品名 Trion 150 Trion 100
フォームファクタ 2.5インチ(7mm厚) 2.5インチ(7mm厚)
容量 120GB / 240GB / 480GB / 960GB 120GB / 240GB / 480GB / 960GB
NAND 15nm TLC 19nm TLC
コントローラー 東芝 東芝
インタフェース SATA 6Gb/s SATA 6Gb/s
耐久性 24TBW 24TBW
製品保証 3年間(シールド・プラス保証) 3年間(シールド・プラス保証)
■転送速度比較(120GB)
製品名 Trion 150 Trion 100
シーケンシャルリード 最大550MB/s 最大550MB/s
シーケンシャルライト 最大450MB/s 最大450MB/s
4Kランダムリード 最大79,000IOPS 最大79,000IOPS
4Kランダムライト 最大25,000IOPS 最大25,000IOPS
■転送速度比較(240GB)
製品名 Trion 150 Trion 100
シーケンシャルリード 最大550MB/s 最大550MB/s
シーケンシャルライト 最大520MB/s 最大520MB/s
4Kランダムリード 最大90,000IOPS 最大90,000IOPS
4Kランダムライト 最大43,000IOPS 最大43,000IOPS
■転送速度比較(480GB)
製品名 Trion 150 Trion 100
シーケンシャルリード 最大550MB/s 最大550MB/s
シーケンシャルライト 最大530MB/s 最大530MB/s
4Kランダムリード 最大90,000IOPS 最大90,000IOPS
4Kランダムライト 最大54,000IOPS 最大54,000IOPS
■転送速度比較(960GB)
製品名 Trion 150 Trion 100
シーケンシャルリード 最大550MB/s 最大550MB/s
シーケンシャルライト 最大530MB/s 最大530MB/s
4Kランダムリード 最大90,000IOPS 最大90,000IOPS
4Kランダムライト 最大64,000IOPS 最大64,000IOPS

ただし、OCZによれば、キャッシュのアルゴリズムなどが改良されているため、実使用におけるパフォーマンスは、最大50%も向上しているという。SSDのカタログスペックは、あくまで理想的な環境での最大速度であり、実際にはなかなかそこまでのパフォーマンスが出ないことが多いが、Trion 150は、実効的なパフォーマンスを高めるようにファームウェアがチューニングされている。

書き込みへの耐久性を表すTBW(総書き込み容量)も同じで、120GBモデルが30TBW、240GBモデルが60TBW、480GBモデルが120TBW、960GBモデルが240TBWとなっている。メインストリーム向けSSDとしては優秀な部類だ。プロセスがシュリンクすると耐久性が低下するといわれるが、この点についてもファームウェアの最適化が寄与しているという。

製品保証も3年間と長く、独自の「シールド・プラス保証」がついてくる。これは、万一製品が故障した場合でも、SSDのシリアル番号をWebサイトに入れるだけで即座に新品が送付され、故障品を送り返せばいいというサービスだ。送料も負担する必要がないので、非常にありがたい。

独自の「シールド・プラス保証」は、SSDが故障した場合の不良品交換制度。申し込み用のWebサイトが日本語化されていないので、利用する際は少し注意が必要かもしれない