HOYA製の屈曲光学系レンズを搭載

ZenFone Zoomが "普通ではない" のは、そのカメラ機能だ。なにより、35mm判換算で28~84mmの光学3倍ズームレンズを搭載した点が大きい。これまでも光学ズーム機能を持った携帯電話がなかったわけではなく、例えばフィーチャーフォン時代にはシャープの「SH-05C」やLGの「L-03C」があったし、10倍ズームクラスのレンズを搭載したAndroid端末もあった。

その点、今回のZenFone Zoomはスマートフォンとして違和感のないサイズとデザインに光学3倍ズーム機能を収めたことが特徴だ。しかも、その実装方式がユニーク。本体を横向きにして見た場合、レンズの下に向かって (液晶面に対して垂直ではなく水平方向に) 屈曲光学系のユニットが入っている。そのおかげで、ボディは最も厚い部分でも11.95mmに抑えらている。

通常、液晶面に対して垂直 (厚み方向) に並ぶレンズ群を、液晶面に対して水平方向 (図の矢印方向) に配置している

屈曲光学系とは、レンズ群の途中にプリズムを置いて光軸を90度折り曲げて反射させ、さらに後段で90度反射させて撮像素子に光を導く方式。潜水艦の潜望鏡をイメージするとわかりやすいだろう。

屈曲光学系の仕組みを最初にデジタルカメラに搭載したのはミノルタ(当時)の「DiMAGE X」だろう。2002年の頃だった。この屈曲光学系によって非常に薄型のコンパクトデジカメが登場したのだが、その後のデジカメ市場の変化で屈曲光学系はあまり使われなくなった。そして今回、光学メーカーのHOYAが屈曲光学系を採用したスマートフォン向けレンズユニットを開発。同社としては初のスマートフォン向けレンズユニットだが、それをZenFone Zoomが採用したというわけだ。

レンズユニットの構造。防振レンズ (前玉) から入った光がプリズムで屈曲してレンズ群を通り、またプリズムで折り曲げられてセンサーに入射する

レンズユニットの部材。全10枚のレンズのうち9枚がガラスモールド非球面レンズを含むガラスレンズで、最後の1枚 (後玉) は樹脂レンズだそうだ

センサーはパナソニック製の1,310万画素CMOSセンサー。AF駆動用のステッピングモーターは薄型Blu-ray Discドライブのピックアップ用として使われていたものだそうだ

ZenFone Zoomの発表会で示されたカメラの特徴。シャッタースピード4段分という、かなり強力な光学式手ブレ補正機能を搭載