10月7日、千葉県の幕張メッセにて、最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2015」が開幕した。CEATEC JAPAN 2015で見つけたウエアラブルデバイスをまとめて紹介する。

見た目はアナログ時計 - ソニーの新プロジェクト「wena」

ソニーの新規事業創出部から誕生した「wena」。クラウドファンディングでの資金集めも話題となった。一見、普通の腕時計だが、れっきとしたスマートウオッチ。ただし、スマートウオッチとしての機能は、すべてバンド部分に集約され、ケース(フェイス)部分には、ムーブメントのみを搭載している。ケース全体はシチズン製OEMを使っている。デザインはソニーのオリジナルだが、時計のデザインを手掛けた経験を持つスタッフが担当したという。

「wena」ブース

スマートウオッチ「wena」。スマートウオッチの機能はバンド部分に搭載している

Bluetoothで連携したスマートフォンの「通知」を振動とLEDで知らせたり、歩行量などを測定する活動量計としての機能も持つ。また、バンド内側に「FeliCa」を内蔵しているため、手首をFeliCa端末にかざすだけで決済サービスなどの機能も利用できる。クラウドファンディング支援者へは、2016年3月より順次出荷を予定。

ティザーサイトにも載っていた「wena」分解図が、現実となって登場。担当者が真夜中までかかって製作した自信作とのこと

「UP」シリーズに新デザイン・新色が登場 - JAWBONE

JAWBONEのブースでは、10月8日発売のリストバンド型デバイス「UP2 Rope」と「UP3」の新色を展示。価格は「UP2 Rope」が税込16,500円、「UP3」が税込28,600円。

「UP2 Rope」は、従来の「UP2」からデザインを一新。全5色展開

「UP2 Rope」は、従来モデル「UP2」からデザインを一新。紐状のストラップを採用し、全5色を展開する。「UP3」は、心拍数や温度を計測できるJAWBONEの最上位モデル。従来のブラックダイヤモンド、シルバークロスに加え、ルビークロス、サンドツイスト、インディゴツイスト、ティールクロスの4色を追加した。

「UP3」は、睡眠時間や心拍数を計測できる

指輪型ウエアラブル端末「OZON」 - アルプス電気

アルプス電気のブースでは、16Labと開発を進める指輪型デバイス「OZON」を展示。本体には、プロセッサやモーションセンサー、Bluetooth機能、NFCなどを搭載している。ワイヤレス充電に対応し、フル充電から約2日間駆動する。ブースでは、NFCを使った決済や、3次元ジェスチャで個人認証を行うデモンストレーションを実施していた。

これらの機能を活用するために、プレミアムパートナー企業として、トヨタ自動車と音響機器メーカーのヤマハが参画。パートナー企業の各種製品を操作するインタフェースとして、OZONを活用していく考えだ。今後、この2社を含めたパートナー企業と連携し、実用化に向けてさらにブラッシュアップしていくとのこと。指輪型デバイスは、日常的に装着できるデザインが普及の鍵と感じており、そういった意味では、女性の細い指に馴染むような、さらに小型でスタイリッシュなデバイスが出ることを期待したい。

従来モデルよりも30%小型化

NFC機器に、OZONを近づけて「ピッ」と決済するデモ

極小スイッチや高機能センサーを搭載 - 村田製作所

村田製作所のブースでは、メガネの製造で有名な福井県鯖江市と共同で製作したスマートグラス「Cool Design Smart Glass」のコンセプトモデルを参考展示。レンズ部分にARディスプレイを備え、テンプル部分に極小スイッチモジュールを搭載している。テンプル部分のスイッチを操作することで、レンズ部分のARディスプレイを操作できる。また、Bluetooth接続したスマートフォンアプリの操作も行えるという。

レンズ部分にARディスプレイを備えた「Cool Design Smart Glass」

テンプル部分に搭載している「マイクロポジションセンサ」

脈拍や皮膚温度、高低差を検知するセンサーなど各種モジュールを搭載した、腕時計型ウエアラブル端末も参考展示していた

スマートグラス「MOVERIO」に人が集まる - エプソン

コンパニオンのお姉さんも「MOVERIO」を装着

エプソンは、ウエアラブルデバイスを中心に展示。スマートグラス「MOVERIO」や「MOVERIO Pro」のタッチ&トライコーナーには、多くの来場者が列を成した。MOVERIOのコーナーでは、野球観戦時の試合解説を日本語音声から中国語音声に同時翻訳する機能や、自分の視界に選手の打率や得点、選手情報などを重ね合わせて表示する機能を体験できた。

この体験コンテンツは、プロ野球チームの北海道日本ハムファイターズが協力して制作されたもの。台湾の観光客向けに、札幌ドームで開催した試合で実際に使われた。筆者も体験したが、試合を観戦しつつも、その時に知りたい情報をスマートフォンで検索しなくてもすぐに確認できる点が良かった。

実際に見ている試合に観戦情報を重ね合わせたイメージ

文字盤に電子ペーパーを採用した「Smart Canvas」、脈拍を測れる「PULSENSE」など、リスト型デバイスも複数展示していた。

GPSを用いて距離や走行ペースを計測できる「WristableGPS」

「PULSENSE」のバンドタイプ(液晶なし)

「PULSENSE」の液晶表示タイプ

電子ペーパー表示技術を採用した「Smart Canvas」。「時を感じ、時を楽しむ」のテーマ通り、カラフルなデザインが並んだ

Android Wear搭載「Huawei Watch」 - ファーウェイ

ファーウェイのブースでは、10月16日発売のAndroid Wear搭載スマートウオッチ「Huawei Watch」を展示。実際に触って確かめることも可能だった。市場推定価格は、シルバーの本体とブラックレザーバンドを組み合わせた「W1 Classic leather」が45,800円。直径42mmフェイスの丸形デザインを採用し、文字盤部分が1.4インチ有機LEディスプレイのタッチスクリーンとなっている。クラシカルなデザインなので、ビジネスシーンで装着しても違和感を覚えにくいだろう。

その他、リスト型デバイス「TalkBand B2」や、NTTドコモがサービス提供する腕時計型の子ども向けウェアラブルデバイス「ドコッチ」を展示していた。

子ども向けウェアラブルデバイス「ドコッチ」。3G通信機能やGPS、Bluetoothなどを搭載している

Android Wearを搭載したスマートウオッチ「Huawei Watch」

スマートフォンと連携した「UAWEI Talkband B2」(写真の右側)。6軸センサーを搭載し、歩く / 走る / 自転車に乗る / 階段の昇降などの動きを自動で判別