24-600mmの高倍率ズームで雪渓も高山植物も

名古屋から中学1年の息子さんと一緒に参加した水谷さん(40代男性)はこの夏、3週連続で山に出かける。その3週の真ん中が今回のイベントだそうだ。筆者よりもはるかに山慣れしていると思うのだが、上りはやはり厳しそうで、休憩を多く取りつつマイペースで登る。にもかかわらず、折々の撮影ポイントでは誰よりも積極的に風景や植物の写真を撮っていた。

「私はいつも、人の倍くらい(登るのに)時間がかかるんですよ。山を下りるといつも、もう山なんか登らないぞと思うんですが、またすぐ計画してしまいます」

それこそ山の魔力というべきか。ちなみに、今回の参加者は、みなさん共通して山好きだった。中学1年の水谷さんの息子さんはまだまだこれからだろうが、お父さんの様子を見ていると、きっと彼も将来山好きになること間違いなしだろう。

参考までに、筆者がG3 Xで撮影した写真も掲載しておこう。いずれもマクロモードを利用している

宇都宮から参加した菊地さん(30代男性)は、自動車メーカーで開発を担当する。もともと仕事でカメラを使うことが多く、PowerShotも業務で使用していたそうだ。プライベートではフルサイズの一眼レフを使っており、カメラに詳しい。山好きも写真好きも父親譲り。重い撮影機材を背負ってよく出かける。冬の日光で、早朝から氷瀑を撮ることもあるという。

菊地さんは、G3 Xの高倍率ズームに加え、露出補正をダイヤルで行える操作性と、グリップ感の良さが気に入っていた。いつもは花を撮ることは少ないというが、この日は高山植物に惹かれている様子だった。

ほぼ2時間かけ、一行は目的地である小遠見山の頂上に着いた。頂上は陽射しは相変わらず強いものの、涼しい風が吹き上がってきて、実に爽快な気分になる。時刻は午後1時。ここでお昼休憩となった。

頂上からは西に堂々とした姿の五竜岳(2,814m)が鎮座し、目を南に移すと鹿島槍ヶ岳(2,889m)のカクネ里の大雪渓がよく見える。ともに日本百名山に選ばれている山だ。転じて東側は、1,300m下方の白馬の町々まで遮るものなく見通せる大パノラマ。北には新潟県の山々までが見渡せた。

これもG3 Xの600mm望遠が活かされた写真。山荘に荷物を運び上げるヘリコプターや、鹿島槍の雪渓も望遠レンズのおかげで捉えることができた

頂上から下りへ入る。右側には1300m下の白馬の町々までダイレクトに見渡せる絶景。こういうシーンでは24mmの広角が効果的だ

東京・国分寺から参加した荘司さん(30代男性)は、もともと山が好きで、地元に近い雲取山など奥多摩の山に登ることが多いという。写真はそれほど凝っているわけではないが、今回はなかなか近づけないところもG3 Xの高倍率ズームで撮れたのが楽しかったそうだ。

帰り道は下りなのでラクラク。道すがら見つけた花々を、杉村氏のガイドのもと、参加者たちは夢中になってカメラに収めていた。

下りは上りより余裕の道中。ところどころで杉村氏のレクチャーのもと参加者たちは美しい花々を写真に収めていた

午後4時半頃、「Mt.FESTA2015 in 白馬」の会場に戻る。それぞれ写真を3枚ずつ大判プリントしてくれるサービスが用意され、参加者たちはこの日の撮影の成果を液晶モニターでチェックしては、お気に入りの写真を見つけ出していた。

白馬五竜高山植物園を抜け、まもなくゴンドラの駅に着くとあって、参加者のみなさんの顔にも余裕が出てきた

「Mt.FESTA2015 in 白馬」の会場に戻り、参加者それぞれお気に入りの写真をプリント。みなさま写真もとても上手でした

「Mt.FESTA2015 in 白馬」では本イベントのほかにも、郷土芸能やライブ、トークショー、シンポジウムなどが開かれ、多くの人が訪れて賑わっていた