オーディオ機能も充実

最近のゲーミングマザーを選ぶうえで、ポイントとなるのがオーディオ機能だろう。マザーボードメーカー各社がいま最も力を入れている部分だ。心臓部を見ると、オーディオチップはRealtek ALC1150で、これにCreativeのSound Blaster Cinema 2を採用している。また、オーディオチップはEMIシールドでガードされている。

回路部を見ると、出力側では専用のヘッドホンアンプチップを搭載し、そこにオーディオ設計のニチコン製コンデンサを組み合わせ、最後のバックパネル端子には金メッキを施すといった内容だ。

また、現行マザーボードのトレンドである、マザーボード回路とオーディオ回路を分離するグラウンドラインを設けており、さらに電源ユニットの4ピンペリフェラルからオーディオ用の電源を取得する「ダイレクト・オーディオ・パワー」を採用している。

分離基板構造のオーディオ回路部

裏面にも分離のためのラインが確認できる

オーディオチップはRealtek ALC1150。これにSound Blaster Cinema 2ソフトウェアが付属する

オーディオ回路には金色のニチコン製オーディオ用コンデンサが採用されている

マザーボード下辺左端にある端子にオーディオ回路用電源を供給するダイレクト・オーディオ・パワーを装着。4ピンペリフェラルから給電できる

一方で、オーディオはオンボードではなく外部のDACから再生したいというハイエンドユーザー向けには、「USBオーディオパワー」機能を搭載している。これは、ATX24ピン電源の+12Vから変換チップを介して直接USB用の+5V電源を安定供給する機能だ。ゲームをプレイする際など、負荷によって電圧が変動する場合でもUSBから安定した電源が供給できるというのが同社の主張だ。

ゲーミングマザーでもうひとつ重要なネットワーク機能については、Killer E2205チップを採用している。Killerは、ゲーム専用に設計されたネットワークチップで、ゲーム本体の実行ファイルなど特定のアプリケーションに、ネットワークトラフィックを優先して割り当てることなどが可能だ。

ゲーミングマザーでは定番のKiller製GbEチップを採用

これだけ多機能でも(Intel X99 Expressで見れば)価格はメインストリーム

MSI X99A GAMING 7は、Intel X99 Expressチップセット搭載マザーボードとしては2015年半ばに差し掛かってから販売された第2世代製品群に入る。各種の最新インターフェースを搭載しつつ、価格は3万円代半ば。多機能なゲーミングモデルでありながら、Intel X99 Express搭載マザーボードとしてはメインストリーム価格帯に収まっている。LGA2011v3のハイエンドゲーミングPCを求め、かつUSB 3.1という最新インターフェースをいち早く使ってみたいという方には、比較的安価なモデルといえるだろう。

マザーボードに採用された各種テクノロジを示すプリントが裏面に記載されている