ボートレースの中でも最高位に位置付けられる“スペシャルグレード”(SG)で活躍した選手が顔を揃える、特にレベルの高いレースとされる「SGグランドチャンピオン」が、今年も6月23日から28日までボートレース宮島で開催される。このレースを場外発売で楽しむ人のために埼玉県久喜市にある「ボートピア栗橋」では、さまざまなイベントが開催される。

中でも目玉は、人気お笑いコンビ・平成ノブシコブシによるトークイベントだ。ボートレースファンとして知られる徳井健太と、競馬ファンながらボートにも挑戦する吉村崇の“ギャンブラー”な芸人コンビがレース予想を行うなど、初心者にも楽しめる魅力満載の1日となる。イベント開催に先駆けて、今回はそんな平成ノブシコブシのふたりにボートレースの魅力や「SGグランドチャンピオン」に向けた意気込みなどを伺った。

平成ノブシコブシの吉村崇と徳井健太

――ボートレースファンとして知られる徳井さんですが、ボートレースを始めた最初のきっかけは?

徳井:当時、僕らと同じぐらいの芸歴の若手芸人の間で流行ってたんですよ。発起人はグランジの佐藤大でしたね。

――ハマるだけの魅力というのは何だったんでしょうか?

徳井:始まって30秒ぐらいでだいたい結果が決まるんで。スピード感ですかね。競馬だと、やっぱり待たなければいけないんですけど、それがないので。

吉村:僕もたまに相方の付き合いで行きますけど、面白いですよね。会場は解放感があって、飯もおいしかったりとか、いろんな楽しみがありますよね。相方が出番ギリギリまでケータイをいじりながら楽しんでいる姿をよく見かけるんです。とんでもない額負けてんのに、その後も淡々とやってる姿を見ていると強靭な精神を持ってるんだなと思いますね。そういう意味では鍛えられてんだなと(笑)。

――吉村さんはたまに付き添いでやるとおっしゃってましたが、徳井さんからはどういったアドバイスを?

吉村:何にもくれないです。全然ヒントも(笑)。相方、オレが喜んでる姿一番見たくないと思うんで、ノーヒントで、初めて見た新聞とその日の始まる前の調子を見たりしながら。それでなんとかやってますよね。新聞の読み方も教えてくんないですもん(笑)。

――徳井さんはどなたから学んだのですか?

徳井:う~ん……勝手に覚えていったんじゃないですか(笑)。あんまり人に聞かないタイプなんで。

――独学で?

徳井:そうですね。ネットとか。

吉村:僕は真逆ですよね。こっちはホントに本命に行きますが、僕は穴しか狙わないんで。

――互いに当たったりはずれた結果で、嫌な気持ちになったりとかうれしい気持ちになったりというのはないですか?

吉村:徳井はまずオレに当たったかどうかを言わない(笑)。絶対言ってこないですね。

徳井:僕、他人が当たってもはずれても関係ないですから。

吉村:オレは逆に言いたがりなんで。

――吉村さんから言われたときはどうですか?

徳井:子どもが産まれたみたいなもんですかね(笑)。基本どうでもいいんです。他人の子どもとかは。「おめでとう」とは言いますけど。別に……。それよりは、過程を聞きたいです。こう予想して、こう思ったからこういうのにしたんだっていう。結果、当たったはずれたは、まぁ時の運なんで。

吉村:買い方も夢がある買い方じゃないですよね。結構堅めのやつを買ってはずすから、どういうことなのかな……と(笑)。僕ははずしますけど、大きく当てたら何百万円っていう、夢があるというか。

――今回「SGグランドチャンピオン」優勝戦の日にボートピア栗橋でトークショーをされるとのことですが、いかがですか?

吉村:近くに「大宮ラクーンよしもと劇場」っていう劇場もありますからね。若手もいますんで、ぜひ当日行って来い!……と。

徳井:幕張の劇場だと、みんなボートレースをやってるんですよ。幕張も近くにボートピア習志野があるんで。みんなレース場行って、タクシー乗って帰ってくるんですよ。多分栗橋でもやると思います。

吉村:芸人のネタで見れば分かると思います。当たったのか、はずれたのか(笑)。できればルミネの近くでもやってほしいですね。近くにあったらガッツリやると思います(笑)。

――トークのテンションでレースに当たったかどうかがわかるみたいな話で、徳井さんは態度にあまり出ないとのことですが、吉村さんは?

吉村:ボクはもうエンタテイメントですから。はずれても派手に、当たっても派手にですね。負けてもみんなに伝えるぐらいの勢いで。海外のサッカー選手ぐらいのアピールはしますね(笑)。そういうのも込みで楽しんでるんで。

――負けたほうが逆に「おいしいな」と思ったり?

吉村:そうですね。負けたことで逆にハイになるとか、気持ちよさもありますよね。芸人と言うのは、負けてるほうがかっこいいみたいなのがなんかあるんですよ。大穴に賭けて、一発逆転に賭けて、負けて……っていうなんか美学みたいなのもあるのかもしれないですね。

徳井:そうだと思いますよ。やっぱゼロにしたくてやっているとこもある。最後1,000円とか残ってるときは目つぶってやったりとかもあるんで(笑)。

――今日はやるぞ! っていうときはレースにどれぐらいの金額を持っていくんですか?

徳井:ありったけですよ(笑)。嫁が貯金をすべて管理してるので、僕なりの全財産ですね。

吉村:ボクの場合は付き添いですから、大金を持っていくことはあんまりないですね。1レースだけですから。その代わり、3連単に1万円とかそういうタイプなんで(笑)。あたったらデカイっていうやり方なんで、楽しめるといえば楽しめる。

――付き添いで行って、実際に当てられたこともあるんですか?

吉村:こないだ静岡で行ったときは当てましたね。5000円が5万円ぐらいになりました。

――「SGグランドチャンピオン」の魅力というのは?

徳井:SGの優勝戦は本当に面白い。プライドもスゴイし、1等2500万という賞金を目の前で手にする人が決まるっていうのはハンパないですからね。

吉村:こういうイベントごとっていうのはひとりで見るよりも大勢で見たほうが盛り上がりますよね。ひとつのモニターを見て、みんなでワーっていうほうがお祭り感があるんで。そこで当たったときは当たったなりの嬉しさ、はずれたときには悔しさを共感できるし。昔、力道山の試合を日本中の人が街頭テレビで見ていたような感覚です(笑)。今回はさらに、現金つかみ取りとか元ボートレース記者の方による初心者向けの解説教室があったり盛りだくさんですよね。ボクは初心者ですけど、何度かやったことがありますし、やったことがない人こそ行くべきだと思うんです。“ビギナーズラック”っていうのがなぜか必ずあるんですよね。そういう人が大金を手にして帰る姿を幾度となく見てますんで。逆に蛭子さんはもう止めたほうがいいなと。もうないです、ビギナーズラックが……(笑)。

――平成ノブシコブシは、2000年にコンビを結成されて今年で15年ということですが、振り返っていかがですか?

吉村:そう言えば、ボクらが今日舞台に立っている「ルミネtheよしもと」って劇場も今年で15周年を迎えるそうで、ボクらの芸歴とほぼ同じなんですよね。その頃から出ていますけど、その当時は“100円芸人”とかってね。ネタやって受かったら100円もらって、500円までいったら本ネタができるんですよ。

徳井:その当時、結構いっぱいいたんですよ。100円芸人が。

吉村:500円になったら吉本の芸人みたいな扱いでしたね。初めて銀行の口座を開いて。それが15年ぐらい前。

――それがいまや高級外車を購入されるまでになられて。

吉村:銀行に入れてきましたよ、ウン万円。かき集めて(笑)。6月28日も「大宮ラクーンよしもと劇場」に出ていますんで、栗橋にも劇場からそれに乗って行こうって思ってます。もともと“100円芸人”だったオレがこんなスターになったと。そのクルマで行きますから、ぜひ皆さん来ていただいて、そのクルマに向かって、ば声を浴びせていただければ(笑)。「成り上がり、出てけ!」と。

――“破天荒”だけに当日もスゴイ額を持っていかれるんですよね。

吉村:もちろん持ってきますよ。

――高級外車ぐらいの?

吉村:もう1回掻き集めないといけませんね。もう会社は貸してくれないって(笑)。限度額いっぱいまでいきましたから。友人とかいろんな人に迷惑かけると思いますけど、借りていきます。

――徳井さんはどのぐらい持っていく予定ですか?

徳井:もう有り金全部です。SGの優勝戦は100%当てるので。

――過去のレースもですか?

徳井:まぁ、ホントは当たってるはず(笑)。あえて別のを購入しているだけなんです。

――平成ノブシコブシとして、今後やっていきたいお仕事とかはありますか?

吉村:ボクはふたりで冠番組をやったりとかロケやったりとか、昔みたいに“身体張る仕事”をやっていきたいですね。

――もしも芸人をやってなかったら、やってみたかったお仕事はありますか?

徳井:医者。オペしたかったです、人を(笑)。

吉村:こないだ小学校のアルバム見たら、“エロ本会社の大社長”って書いてあって、ブレてないんだなと(笑)。そういうなにかしろ表舞台に出る役で、やれるといいなと思いますね。

6月28日にボートピア栗橋で「SGグランドチャンピオン」が発売される。これを機会に10時20分からと13時15分の2回にわたって行われる平成ノブシコブシのステージショー。ステージ後にはレース予想とじゃんけん大会が行われ、各回10人に「大宮ラクーンよしもと劇場」の無料招待券がプレゼントされる。また、大好評のイベントとして、未確定舟券2,000円分で抽選会に参加できる「現金つかみ取り」の実施など、内容盛りだくさん。ボートレースや平成ノブシコブシのファンはもちろん、初めての人も楽しめる、“ドリーミー”な1日となりそうだ。