「USB Type-C」のメリットは大きい

「USB Type-C」のサポートも要注目だ。ことスマートフォンにおいてはコネクタの向きを気にせず挿せるリバーシブルな仕様がポイント。充電や外部機器と接続するときの操作性は、microB端子が主流の現在より格段に向上するはずだ。操作性だけでいえば、iPhone/iPadのLightning端子が先行しているが、なにぶんUSB Type-Cは標準規格、ライセンス形態が単純で大量生産による製造コストの安さもある。

それに、USB 3.1 Type-Cの給電容量は最大5A。基調講演でも、今後は充電が3~5倍速くなる超高速モードが普及するだろうとの見通しが語られており、そのメリットは大きい。Type-CとType-A、Type-CとmicroBといった変換ケーブルを用意すればいいだけの話で、消費者側の負担も少ない。ハードウェアの性能でしか差別化しにくいAndroid端末メーカーの事情からしても、Type-Cを採用する端末は急増しそうだ。

Android MではUSB Type-Cコネクタがサポートされ、充電の速さを売りにする端末が登場しそう

プラグインしたときに用途を選べることも見逃せない。基調講演のデモでは、端子を挿したときに充電と給電、MTPとPTP、そしてMIDIという5つの選択肢がダイアログに表示されており、より柔軟な使い方を期待できそうだ。

端子を挿したときに充電や給電、ファイル転送形式などを選べるようになる

電力つながりでは、"うたた寝"を意味する新しい省エネ機能「Doze」にも注目したい。内蔵のセンサーにより利用状況を判断し、深夜などあまり利用されない時間帯には、メッセージの到着やアラームなど重要な通知は行いつつもシステム処理を間引きすることでバッテリーの消費を大幅に減らすことが機能の主眼。休止時の電力効率はAndroid 5(Lollipop)の約半分、バッテリーのもちは単純計算で2倍になる計算だ。

うたた寝を意味する新機能「Doze」の導入により、バッテリーのもちが約2倍になるという

バッテリーのもちを改善するという意味での「省エネ」は、Appleも力を入れているところだが、充電スピードという点ではGoogleが一歩リードすることになった(AppleもUSB Type-Cの規格策定に関与しているため、わずかな期間かもしれないが)。実際の効果がどれほどあるかは不明なものの、利用状況を判断して一種のハイバネートモードに入る「Doze」にも期待できる。あとは物理的なバッテリー容量ということになるが、こちらは端末メーカーの工夫次第、作り込み次第といったところだろうか。