真の狙いはiPhoneユーザーの獲得か

質疑応答では、iPhone 6(iOS 8)がau回線でのMVNOサービスを利用できない問題が、契約数獲得に与えた影響についての質問が飛んだが、これに対して藤野社長は「影響はあったと考える」と否定しなかった。この問題はmineoだけでなく、auの子会社であるKDDIバリューイネイブラーのサービスでも同様に発生しているため、二社で合計すればかなりの機会損失となっている可能性がある。

一方、ドコモ回線では、基本的にiPhoneも問題なく利用できる。MVNOでiPhoneを安く運用したいというニーズはかなり大きいと思われるため、あえて価格/サービス競争の激しいドコモ回線を選択してでも、iPhone問題でのつまずきを取り戻したいところだろう。

質疑応答では、今後1年間で契約者数を約20万件伸ばしたいとの計画が開示されたが、ドコモ回線であればSIMフリーや中古を含めた対応端末も数多く、mineo自身が販売するSIMフリー端末にとどまらない展開が期待できる。結果的にマルチキャリアMVNOとなったが、実態としてはサービスの主軸をau回線からドコモ回線へと移行したいという思惑が、今回の新サービスにつながったのではないだろうか。